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DVD『田原総一朗の遺言』大ヒット記念 田原総一朗×水道橋博士対談

“田原伝説”再び――田原総一朗はマイケル・ムーアの師匠だった!?

田原 しかし、作り手側の問題もあります。どういうわけか、ドキュメンタリーは被害者ばかりに焦点を当てた暗いものが多い。安易なんです。かわいそうな人を撮って涙を流せば作品っぽくなります。けれども、視聴者は暗いものは見たくない。喜劇のように面白く、問題の核心を突くようなドキュメンタリーをたくさん作ればいい。マイケル・ムーアも原一男も暗くありません。

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博士 『スーパーサイズ・ミー』のスパーロックが、アメリカのテレビで『30 Days』というドキュメンタリーをつくっています。30日間最低生活をやってみるという、日本の『いきなり!黄金伝説。』(テレビ朝日系)のような番組です。ただ、モーガン・スパーロックの番組は、最低生活を行っていくと貧困層に落ちていくという構造を見せ、社会の仕組みが間違っているということにも気づかせてくれます。しかもめちゃくちゃ面白いんですよ。

――田原さんが現在、被写体として追いたい人物はいますか?

田原 天皇をやりたいですね。何度も取材を申し込んでいるけど、いつも断られてしまう。誰もやってないことをやりたいです。

――今年78歳ながら、「誰もやってないことをやりたい」と、田原さんを突き動かすものはなんでしょうか?

田原 好奇心です。ブッシュ、クリントン、ブレア、サッチャーなど、さまざまな世界のリーダーに取材をしましたが、天皇はまだできていないんです。フセイン大統領も取材許可が下りて、やれるギリギリまでいった。けれども、バグダッドに入ったら「フセインに会ったらCIAに爆撃されて命を失う」と言われました。僕は「死んだっていいからやらせろ」と言ったんですが、「あなたじゃなくて、フセインが殺されたら大変だからダメだ」ということで、できなかったんです。

――田原さんは好奇心のためなら死ねると?

田原 もちろん!
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン]/撮影=尾藤能暢)

最終更新:2012/05/15 12:13
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