『耳の穴』ウエラン・井口浩之の「コント師イジリ」と、かつてバナナマン・設楽が語った「売れ方」の話
【清野とおるの、キ○チ○ガ○イと呼ばないで】第2話「鳥盗り物語」(後編)
2012/05/17 15:00
マンガ 清野とおる キ○チ○ガ○イと呼ばないで
おじさんは優しい笑みを浮かべながら、俺たちを誘ってくれた。
俺たちはおじさんからハトを奪おうとした上に、奪い切れなかった「負け鳥」、もとい「負け犬」なのに……。
おじさんの家はここから自転車で数分の場所で、かれこれ5年以上もこの公園でハトに餌をあげ続けているらしい。
「妻とは10年前に死別して今は一人暮らし」
「孫が2人いるけど、嫁と折り合い悪くてなかなか会わせてもらえない」
「嫁が孫に私の悪口吹き込んでるせいで、孫からも嫌われてる」
なんとも切ない身の上話まで聞かせてくれた。きっとおじさんは、孤独な身と、注ぐに注げない孫への有り余った愛情を、ハトで満たそうとしていたに違いない。