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繁盛中の「2ちゃんねる書き込み削除ビジネス」って何だ?

 話題のあの芸能人や識者も多数リツイートするサイゾー新ニュースサイト「Business Journal」! 今回はそんな「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!

 ほかにも、サイゾーだから書ける“ディープ”かつ“役に立つ”以下のような記事が満載ですので、ぜひともご覧ください!

■「Business Journal」掲載記事(一部抜粋)
大日本印刷”赤字””不当解雇””偽装請負”でも社長は高額報酬の非道
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■特にオススメ記事はこちら!

繁盛中の「2ちゃんねる書き込み削除ビジネス」って何だ? – Business Journal(5月21日)

post_10627_20120521.jpgもしかしたら今、日本一恐ろしい場所かも……。
(「2ちゃんねるHP」より)

 2ちゃんねるはネット社会において、長らくダントツの知名度を誇ってきが、その人気を支えてきたのは書き込みの匿名性にある。匿名であれば、誰にも気兼ねなく自由に発言ができる。リアル社会にはない、この「自由さ」が2ちゃんねるを活発な言論空間にしたと言えよう。

 とはいえ、書く側は匿名であっても、書かれる側は実名であることも多い。その上、根拠もなく中傷されれば、たまったものではない。そうした書き込みが、検索エンジンに引っかかることも珍しくなく、事実無根の風評が拡大する一因にもなっている。

 2ちゃんねるには、そんな書き込みについての「削除ガイドライン」なるものが設けられており、それに従って専用の掲示板で申請をすれば削除されることになっている。だが、現実はそう簡単ではなく、法人についての書き込みについては、原則的に放置されることになっており、個人の場合も、住所や電話番号などが書かれていなければ、ほとんど削除されないのが実態だ。

 このように、2ちゃんねるに主体的な削除を促しても、ほとんど聞き入れられない中、2009年以降は、裁判所の仮処分が出れば、削除や発信者情報の開示に応じるようになった。だが、裁判沙汰となるといかにも大仰で、有名な企業や人物が法的手続きを取れば、それ自体がニュースとなってしまい、炎上するリスクもある。彼らは、大ごとにすることなく、自身に不利益をもたらす書き込みを削除したいと思っているわけだ。

 そんなニーズに応えるべく、「2ちゃんねる対策」と銘打って、法的手段に訴え出ることなく、ひっそりと2ちゃんねるの中傷書き込みを削除したり、目立たなくするサービスを提供する企業がいくつか存在する。

 そのうちの1つであるA社などは、企業に向けて、積極的にダイレクトメールを送っている。同社のDMによれば、2ちゃんねる対策を行うことで、検索結果を見て商品の購入を思いとどまるユーザーが減少したり、既存社員の離職率低下やモチベーションアップ、新卒採用、中途採用の内定辞退の減少、取引先企業などからの信用アップなど、さまざまな効果が見込めるという。A社は一体、どのようなことを行っているのか。直接問い合わせてみると、担当者は次のように説明した。

「まず、2ちゃんねるに限らず、中傷サイト対策には”排他的SEO”があります。基本的には特定のサイトを検索結果の表示順位から意図的に下げるということは原理的にはできないのですが、意図的に上げることは可能です。A社の中傷サイトを目立たせなくする場合、A社に関するサイトを30〜40個ほど新しく立ち上げて、それを上位に持ってくるようSEO対策をすることで、結果的に既存の中傷サイトが下に落ちてゆくわけです。

 お値段は、サイト制作費用で30万円。あとは成果報酬になっておりまして、1対象あたり日額5000円ですが、対象が何サイトでも月額30万円が上限となっておりまして、対象サイトが多いほどお得になります」

 検索結果において、特定のサイトの表示順位を引き上げる際に重要なのは、他サイトから、多くのリンクがそのサイトに対して貼られていること。多くのサイトから参照されているということは、そのサイトの重要度が高いと認識し、評価が高いサイトとして、表示順位を上げるのである。

 検索結果だけでなく、検索すると検索窓の下に羅列される関連検索ワードも、ネガティブなものは企業にとっては頭が痛いものだ。たとえば、ヤフーで、ある有名居酒屋チェーン店の名前を入れると、関連検索ワードとして「ブラック」「過労死」などと出てくる。これを消すにも、検索エンジンのアルゴリズムの隙間を縫う巧妙な手口を使う。

「関連検索ワードにネガティブな言葉が出てくると、それを見ただけでネガティブな印象をユーザーに与えますし、それをクリックしますと、大概、批判サイトや中傷サイトが大量に出てきます。それらのサイトをすべて削除するのは困難ですから、関連検索ワードを根本的に消す必要があります。やり方としては、例えば、ヤフーさんの場合、消したいキーワードを何回もクリックしてゆくんです。これをやると、ヤフー側が意図的にキーワードの順位を上げようとするスパム行為であると認識して、そのキーワード自体を表示しなくなるんです。同じIPアドレスでこれをやっても無効になるので、IPを変えながらの作業となります。お値段は10万円程度。キーワードが何個あっても変わりません。また、削除した後に新しく出てきたキーワードの削除についても、追加料金なしで対応しております」

 上記のような手法が実際に有効であると筆者としては断言できないし、こうした行為は道義的には問題ありという指摘もあるだろう。だが、近年、ネットから「ブラック企業」という流行語が生まれるその陰では、A社のようなサービスにニーズがあるのも事実のようだ。

ミラーサイトの書き込み削除は「金銭」で解決する !?

 では、ネットの中傷対策のメインとなる2ちゃんねる対策は、どんな内容なのか?

「いわゆるスレッドの『埋め立て』です。2ちゃんねるで『ブラック企業の○○社』といったスレッドが立ったら、そのスレッドの書き込みが1000件になるまで、コメントを入れてゆくわけです。そうすると、書き込めなくなり、過去ログ倉庫に格納され、一般のネット利用者から見えない形になるのです。

 埋め立て作業は元2ちゃんねらーの弊社スタッフが担当しますので、自然な形で行われるため炎上しません。また、IPアドレスも分散します。2ちゃんねるは同じIPでは1日に5件までしか書き込めませんし、IPが同じですと、同一人物が書いていることがバレて炎上する可能性があるためです。埋め立て作業には20日から1カ月程度の期間が必要です。あまりに早くやってしまうと、どうしても不自然に見えてしまいますから」

 2ちゃんねるの埋め立ては、2ちゃんねるを熟知した職人技が必要な手作業であるため、値段も安くはない。1ショット(スレッド)で30万円とのこと。これも最近、話題になった「ステマ(ステルスマーケティング)」の一種といえるだろう。

 では、2ちゃんねるに書き込まれると無数に出現するミラーサイトの対策はどうなるのか?

「2ちゃんねるのミラーサイトは、たくさんありますが、消せるサイトと消せないサイトがあります。消せるサイトの場合、1カ月以内で削除できます。消す手法ですが、弊社で何か施策をして削除するというのは難しいので、直接サイト保有者と交渉する形になります。弊社がそういったルートを持っているわけです。ダイレクトなパイプがあるというか、ミラーサイトの管理者とパイプのあるところとパイプがあるというか(笑)。早いとホントに1週間で消してもらえるという場合もあります。これは時と場合によります。書かれた内容によっても、消してくれる場合と消してくれない場合があります。『C(仮称)』と呼ばれるサイトは消せませんが、『D(仮称)』の場合は、ほとんどの場合、消せます。書き込みの内容に社名や社員名がダイレクトに出ていたりすると、消せる可能性が高い。費用はDの削除ですと、20〜30万円ぐらいになります」

 このあたりの説明については、担当者の歯切れが悪い。交渉をして消してもらうというのは、ミラーサイトに金銭を支払っているということなのだろうか?

「いろいろなやり方がありまして、ここでは言えないやり方があるんですけれども、交渉のお値段というものもあります。サイト側に直接行くお金もあれば、別のところに行くとお金もあると(笑)。直接弊社がやりとりできない場合も多いので、時間がかかる場合もあります。まとめサイトについては、どこが運営しているかにもよりますが、1回URLをメールでいただければ、できるかどうか、過去実績もお見せして、お見積もりいたします」

 実は、筆者は2ちゃんねるで事実無根の中傷コメントを大量に書かれたことがある。2ちゃんねる自体は放っておくと過去ログ倉庫に格納されるが、大量のミラーサイトは主体的に動かなければ削除できない。ほとんどは手動のセルフ削除システムを使ったり、削除依頼のメールを送れば削除できたが、何度、削除の申請をしても無視されたのが、そのDだった。そこで、筆者はDのメールフォームから次のようなメッセージを送ってみた。

「2ちゃんねる対策企業から『D』はお金を払えば削除に応じると聞きましたが、いくら払えばいいのか」

 すると、それまで削除依頼を無視してきた『D』が、その数時間後に該当のスレッドを削除していたのだった。A社の担当がフカしている可能性もあり、実際、Dが金銭を受け取って記事を削除していると断定はできないだろう。

 だが、中傷書き込みをめぐって、半ばマッチポンプ的に機能する可能性があるビジネスがネット上に根づきつつあるのは事実。「サービス会社が依頼人から報酬をもらって、ミラーサイトの管理人などと交渉することは非弁活動として、弁護士法に違反する可能性もある」(法曹関係者)との指摘もある。2ちゃんねるの書き込みを「便所の落書き」などといって、切り捨てていられない時代なのだ。
(文=星野陽平)

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■そのほかの記事(一部抜粋)

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最終更新:2012/05/22 07:00
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