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野村総研強制わいせつ事件の”恫喝”裁判がいよいよ佳境

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野村総研強制わいせつ事件の”恫喝”裁判がいよいよ佳境 – Business Journal(6月8日)

post_234_20120607.jpg超自己チュー”野村総研の業界での評判は
すこぶる悪い。(「Thinkstock」より)

  日本を代表するシンクタンク企業「株式会社野村総合研究所」(以下、野村総研)の幹部が、2007年12月に取引先の女性営業担当者に強制わいせつ行為を働いたとされる、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」の裁判が大きな節目を迎えている。事件の詳細については「日刊サイゾー」の過去記事をご参照頂きたい。

 そもそも、性犯罪絡みの裁判といえば通常、被害者女性が加害者を訴える構図がイメージされるが、この裁判はまったく逆。加害者側であるはずの野村総研が、被害者の女性と、女性を支援して野村総研を告発していた友人を相手取り、「告発により社の名誉が棄損された」として約1000万円の損害賠償を求めているものだ。一部ネット上では「大企業の逆ギレ訴訟」「一般女性相手の恫喝訴訟」と話題になった。

 ところが、原告である野村総研側が、公判を何度重ねても具体的な証拠をまったく提示できないため、たまりかねた三角比呂裁判長が今年4月の第4回公判で、ついに「審理の分離」【註1】を宣言。被告の一人である女性が裁判の審理から外れることになったのだ。裁判は今後、もう一人の被告である「女性を支援していた友人」に絞られて進められることになるが、「被害者女性を訴えた野村総研とすれば、事実上の敗訴の確定」(傍聴者)との声もある。

 もともとこの裁判は、大企業である野村総研が、被害者側の一般女性を相手に裁判を起こしたという特殊性に加え、賠償額が約1000万円と極めて高額であったため、当初から「恫喝を目的とした訴訟ではないか」との批判が少なくなかった。

 しかも、金額の根拠を求める被告側(被害者側)への説明にも時間がかかった。当初は取引先からの信用失墜などによる損害棄損などと主張しながら、裁判の過程でそれを立証できなかったため、提訴から1年近く経過してようやく、損害は野村総研という法人としての精神的苦痛であり、精神的苦痛は金額の損害立証の必要がないという、訴状にも記されていない趣旨に変更するというドタバタぶりを露呈したのだ。これにあきれるのは公判を傍聴し続けている法曹関係者だ。

「法人の精神的苦痛を漠然と認めろというのは、無理がある話です。どうしてもというなら、会社が受けた営業補償分や従業員の損害分、名誉回復のコストなどを積算して請求するべきですが、それもできていない。挙げ句に訴状に載ってもいない請求内容に慌てて変えている。百歩譲って裁判所が今回、訴えの変更を認めて法人の精神的苦痛を認定したとしても、相場の金額は数十万円程度。簡裁が管轄するような規模の話です。1000万円という金額は常識外。今回の提訴が恫喝目的であるとの印象は拭えません。また、明確な根拠もないのに1000万という数字を設定した野村総研側の弁護士の手法も、問題視されることになるのではないでしょうか」

 では、今後の見通しについてはどうなのか。先の関係者が続ける。

「このたびの審理の分離を受けて、追い詰められた野村総研側はとうとう『話し合いの場を設けたい』と言いだしました。かといって謝罪や慰謝料は考えていないでしょう。おそらく和解条項案を女性に送りつけて、『提訴を取り下げてやるから、裁判のことをメディアにも友人にも口外するな、取材など受けたら訴える』くらいの対応でしょう」

 それにしても、よりによって被害者の女性を被告に提訴しておきながら、公判で証拠も提出できないという迷走ぶり。大企業の訴訟戦略としては稚拙というしかないが、この野村総研側の代理人として訴訟を指南しているのは、日本の四大法律事務所の一つ「森・濱田松本法律事務所」(東京都千代田区)に所属するベテラン女性弁護士だ。会社法務の専門としてメディアへの露出も多いが、現在も市民団体から懲戒請求が出されているなど、その手法はしばしば物議を醸してきた。

 例えば、昨年8月に精密機械大手のオリンパス(東京都新宿区)の社員が内部通報を理由に配置転換されたと訴えた裁判で、東京高裁は二審でオリンパスに対し220万円の損害賠償を命じ、さらに東京弁護士会からも「オリンパスの行為は人権侵害にあたる」として「人権侵害警告書」が同社に出されるなど、企業として多くの問題点が指摘されたわけだが、この時の代理人として背後で訴訟を指南していたのが、実は同じ女性弁護士だ。オリンパスの件でも、多くの矛盾を抱えた裁判戦略を一貫して主導してきた立場として、一部の法曹関係者からは批判の声が上がっていたという。

 大手企業が大手法律事務所の名の知れた弁護士を使い、組織の不祥事を隠蔽するために一般の女性を恫喝訴訟【註2】しているとすれば、事態は極めて深刻だ。コンプライアンスという言葉が世に浸透した今、企業や法曹関係者の社会的責任の意味を考え直す意味においても、本案件における裁判所の今後の対応に多くの注目が集まっている。
(文=浮島さとし)

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【註1:審理の分離】
ある審判事件が他の審判事件と関連性がないと認められ、同一の手続きで審判する必要がないだけでなく、かえって審理の複雑化や遅延の原因になっていると認められる場合に、裁判官の裁量によって審理を分離し、個別の手続きによって審理することがある。

【註2:恫喝訴訟】
資本力のある大企業などが自社に不都合な事実を隠ぺいするため、社会的立場の弱い個人への嫌がらせを目的に起こす高額な損害賠償訴訟を指す。被告とされた個人は莫大な訴訟費用の負担や精神的苦痛を強いられるため、企業側は裁判の勝ち負けにかかわらず、訴訟を起こすことで個人を追いつめ、結果的に事実の隠蔽を図ることが可能となる。アメリカではSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation=スラップ)とも呼ばれ、現在では多くの州で反SLAPP法が制定されている。

最終更新:2012/06/12 07:00
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