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元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第148回

19兆円の復興予算が“霞が関復興”に!? ネコババ“シロアリ役人”の悪業を暴く!

 また、文科省や会計監査院から天下りする独立行政法人・日本原子力研究開発機構へは107億円拠出されているのである。

 機構を管理する文科省の研究開発戦略官付の担当者はこう語る。

「実験を行っている日本原子力研究開発機構は、(被災した)青森県と茨城県にあります。同事業のコンセプトは、この研究を日本と欧州が参画する『世界的な核融合の拠点施設』にして、イノベーションの力で復興に寄与しようというものです。世界的な研究拠点ができれば、被災地に活力を与えるという趣旨です」

 ポストは「質の悪いジョークにもほどがある」と切り捨てる。

 そのほかに、南極に行く調査捕鯨に18億円、それを妨害するシーシェパード対策費に5億円が使われてしまっている。

「財務省や執行部は、震災復興を増税するための道具としてうまく使っただけで、その駆け引きのために震災復興が遅れてしまった。(中略)もう無茶苦茶ですよ。それで不用分は繰り越しだというのだから、地元は本当に怒っていますよ。『使い切れなかったとはなんだ! こっちは本当に復興予算を必要としているのに』と」(新党きづなの齋藤恭紀衆院議員)

 安住淳財務相は19兆円を超える可能性が高くなってきたので、新たな財源を考えると、積み増しまで示唆している。

 震災復興のためのカネを役所の利権拡大や生活保障という「霞ヶ関復興」のために使っているのは「国家犯罪」だとポストは書いているが、その通りである。

 今週も文春の記事がグランプリである。文春の独走態勢が止まらない。

 今週は野田佳彦首相と刎頸の交わりのある医療グループオーナーのスキャンダルを暴き、野田首相には「消費増税を行う資格なし」と言い切っている。

 オーナーの寒竹郁夫と野田は船橋高校時代の同級生。千葉県議に当選した野田と再会し、以来20年にわたって寒竹は支援を続けてきた。

 昨年12月3日。野田首相は忙しい合間を縫って政経倶楽部というところで講演したが、この倶楽部の初代理事長で現在はファウンダーを務めるのが寒竹である。

 野田首相は、総理に就任した2カ月後に開かれた天皇・皇后主催の秋の園遊会にも首相枠で寒竹を推薦し、出席させている。

 彼は訪問歯科診療をサポートする「デンタルサポート株式会社」(以下、DS)の社長。訪問歯科診療とは、要は歯医者の出前である。歯科医、歯科衛生士、コーディネーターの3人でチームを組み、患者の自宅や介護施設を訪問して診療する。

 医療保険から診療報酬が医療法人に支払われ、DSは診療1件ごとに約4,000円のサポート料を得る仕組みだそうである。

 寒竹は街の歯科医だったが、訪問歯科診療に着目して売上を伸ばし、現在年商約86億円となっている。

 だが、DSグループの元中枢幹部は「この売上には見逃すことのできない不正があるのです」と告発する。

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