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孫社長のイー・アクセス完全子会社化断念は計画のうちだった?

ソフトバンクに電波だけ取られる…イー・アクセス買収の内幕

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ソフトバンクに電波だけ取られる…イー・アクセス買収の内幕 – Business Journal(11月8日)

post_974.jpg犬のお父さんのところにともちんが来る?
(「イー・アクセスHP」より)

 ソフトバンクの孫正義社長は10月31日の決算発表の席上で、来年2月末までにイー・アクセスの全株を取得した後の資本構成について「出資比率を3分の1未満にする可能性もある」と語った。

 孫社長は「いったん完全子会社化することに変更はないが、資本構成についてはメリット、デメリットを含め複数の案を検討中」とした。10月1日に買収を発表した時には、こんなことは言わなかったが、「買収を決めた段階から複数の案があった」と認めた。

 ソフトバンクはイー・アクセスを一時的に完全子会社にするが、その後は、出資企業を募って株式の保有比率を引き下げる考えだ。連結対象外となる3分の1未満にする案が有力ともいわれている。

 2009年に総務省がソフトバンクとイー・モバイルに新たな周波数帯を割り当てた際に、「議決権ベースで3分の1以上の出資関係にある会社の申請は認めない」との指針があったからだ。ソフトバンクがイー・アクセスを完全に支配すると、割り当てられた2つの周波数帯を両取りすることになる。

 完全子会社化を断念して出資比率を引き下げるのは、総務省の懸念に配慮したからだと、孫社長は言外ににおわせた。

 3年前、総務省はソフトバンクに1.5ギガ(ギガは10億)ヘルツ、イー・モバイル(現イー・アクセス)に1.7ギガヘルツの電波を割り当てている。イー・アクセスは今年6月、プラチナバンドと呼ばれる700メガヘルツの電波の割り当てを受けた。イー・アクセスに対して新たな電波を割り当てられた直後に、ソフトバンクが買収を発表したため、「電波を両取りするためのデキレースではないのか」との批難が高まった。

 イー・アクセスを買収すると発表してわずか1カ月で、孫社長は完全子会社化を断念した。これは孫社長にとって誤算だったのが、それとも計算通りなのか。

 ソフトバンクはもともとイー・アクセスを完全子会社化したかったわけではない。電波だけ借りられればよかったのだ。イー・アクセスが3月から高速携帯電話サービスLTEを始めた1.7ギガヘルツ帯の周波数は、米アップルが新型スマホiPhone(アイフォーン)5で世界標準の電波に指定している。電波不足(=つながらないクレーム)に悩むソフトバンクは、当初、イー・アクセスに賃借料を支払い、1.7ギガヘルツ帯の電波を借りようとしていた。

 孫社長が買収に乗り出したのは、ライバルのKDDIがイー・アクセスの買収に動いていたからにほかならない。同社は周波数の拡大を狙い、ソフトバンクより早い時期からイー・アクセスや、同社の筆頭株主である米ゴールドマン・サックスに接近していた。しかし、買収金額を巡って折り合いがつかない状態が続いていた。

 イー・アクセスをKDDIに奪われるのは、ソフトバンクにとって死活問題だった。KDDIに買収されればイー・アクセスから1.7メガヘルツの電波を借りられなくなる。iPhone5の販売競争で後手に回るのは確実だ。

 楽天もイー・アクセス争奪戦に参戦し、一時は、最有力候補に浮上した。KDDIがイー・アクセスを買収すれば、電波の両取りに総務省が難色を示すことが考えられたが、楽天による新規参入ならそれはない。競争を促す観点からもベターな選択とみられていた。

 孫社長は勝負に出た。大逆転の決め手は、イー・アクセス株の高値買い取りである。イー・アクセスに対し、時価の3.5倍に当たる1株5万2000円を提示。筆頭株主のゴールドマン・サックスの条件を飲み、株式を100%買い取ることにしたのだ。

 株式取得額1802億円と純有利子負債(ゴールドマン・サックスからの借金)1849億円(6月末)の合計3651億円が、実際の買収価格になる。買収価格が高すぎるという見方に対して、孫社長は「買収によるシナジー効果は3600億円にのぼる」との試算を示し「決して高くない」と強調した。本当のところは、KDDIや楽天の買収を阻止するために、破格の高値を提示した、ということだ。KDDIは「トンビに油揚げをさらわれた」(同社首脳)格好だ。

 イー・アクセスのトレードでの最大の受益者は、投融資を全額回収できるゴールドマン・サックスである。イー・アクセスのエリック・ガン社長は、ゴールドマン出身。ゴールドマンは、イー・アクセスの株式の35.95%(12年3月末時点)をSPC(特別目的会社)で保有し、基地局を整備するための資金として3600億円を融資していた。イー・アクセスは、ゴールドマンの会社というのが実態だった。

 イー・アクセス側の財務アドバイザーを務めたのもゴールドマンだ。ゴールドマンがイグジッド(投資金の回収)のために仕組んだのが、イー・アクセスの高値での売却だった。ゴールドマン・サックスの掌の上で、ソフトバンク、KDDI、楽天が踊ったという構図が見えてくる。

 イー・アクセスは、多くの通信事業者に自社の通信網を貸し出す事業を収益の柱の1つにしている。ソフトバンクの完全子会社になると、顧客から反発が起こることが予想される。

 なお、米スプリント・ネクステルの買収が明らかになった10月中旬以降、ソフトバンクの株価が大幅に下落したため、11月2日に株式交換比率を見直した。株価は一時の急落から戻し基調にあるが、直近の株価をもとにソフトバンク株の割り当てを増やすことでイー・アクセスの株主の理解を求める。当初計画ではイー・アクセス株1株に対してソフトバンク株16.74株を割り当てることになっていた。10月1日にイー・アクセス買収を発表した時のソフトバンク株の基準価格は3108円だったが、これを2589円と再評価し、20.09株を割り当てることにした。

 ソフトバンクの目的は、LTE向けの1.7ギガヘルツ帯の電波の確保することにあった。イー・アクセスの完全子会社化の断念は、最初から孫社長が想定していたものであり、計算通りということになりはしないか。
(文=編集部)

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最終更新:2012/11/09 14:00
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