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週刊アニメ時評 第34回

うらやまけしからん! 2ちゃん発祥『まおゆう魔王勇者』のラブラブすぎる主人公たち

maoyu.jpg『まおゆう魔王勇者』TVアニメ公式サイト

 みなさん、恋していますか?

 というわけで今回オススメするのは、すべてのアニメファンが、ラブラブすぎる主人公たちのやりとりに思わず壁ドンしたくなること必至のファンタジーアニメ『まおゆう魔王勇者』だ。

 強大な力を持つ「勇者」とナイスバディな人間の女性の姿を持つ「魔王」が、手を取り合って人間と魔族の戦争によって成立しているいびつな社会秩序を正すべく、世界の改革をもくろむというあらすじの本作は、日本最大の匿名掲示板サイト「2ちゃんねる」発祥のコンテンツだ。

 当初、「魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る!』」というタイトルのスレッドで展開していた即興小説が有志の手によってウェブ上にまとめられるようになると、この盛り上がりに注目したゲーム業界関係者によって書籍化プロジェクトが発足。2010年の商業出版を皮切りに、スピンアウト漫画の複数雑誌連載や今回のTVアニメシリーズなど破竹の勢いで成長し続けている、現在進行形のCGMコンテンツなのだ。

 そんな本作は、第1話から自分が信じていた正義や社会が、実は健全なものではなく一部の特権階級が作り上げた虚構の上に成立していたものだった、という真実が宿敵から明かされた上に同盟を求められるという、いきなりクライマックスな展開を見せて視聴者を一気に引きつける。

 その後も、(中世ヨーロッパ的世界観からすると)オーバーテクノロジーな農耕技術や文化を人間界にもたらし社会制度の変革を促そうとする魔王と勇者の活躍が描かれ、ある種の「歴史のIF」が描かれていく。

 しかし、そうそう物事がうまく運ぶわけもなく、性急な改革は少しずつ世界にゆがみをもたらしていくことになるのだ。重厚でシリアスなその世界観は、本格ファンタジー好きな視聴者にも見応え十分なはずだ。

 だが、あえて言おう。『まおゆう』の一番の見どころは、ハードな世界観の中で繰り広げられる魔王と勇者のイチャイチャだと! 

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