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週刊アニメ時評 第36回

『ガンダム』『ヤマト』に『鉄人28号』……往年の名作アニメが続々リメイク

 どんなに素晴らしいシナリオやキャラクターでヒットを飛ばしたかつての名作アニメも、HDクオリティに合わせて制作される現在の映像や緻密な設定を下敷きにした作品を見慣れた今からすると、どうしても見劣りしてしまうものである。そこで、物語の核になるテーマや大筋は変えずに作品全体をアップデートしていくという形で、旧作を蘇らせようというこの試みは、これまでのアニメ業界にはほとんどなかった流れだ(例えば『マジンガーZ』 『ゲッターロボ』『勇者ライディーン』など、70年代初頭のロボットアニメがゼロ年代に多数復活したが、それらは基本的に続編やスピンアウト的な新作だった)。

 ちなみに原典をベースに新作を作る、という従来のリメイク路線は今後も続く模様で、4月からはポップな世界観で新たな鉄人の活躍が描かれる『鉄人28号ガオ!』が『鉄人28号』50周年記念作品としてスタートするほか、80年代を盛り上げた人気アニメの続編『聖闘士星矢Ω』第2期の放送が決定。また、90年代に一時代を築き上げた『美少女戦士セーラームーン』の新作アニメが、『ももいろクローバーZ』の主題歌で今夏公開されることも決定している(媒体は未定)。

 さらに70年代に一世を風靡し、90年代にもリメイクされたことのある某変身ヒーローアニメが、原典をベースに女性向けにアレンジされて復活する、という噂も業界内でまことしやかにささやかれている。女性ファンに受けた変身ヒーローアニメといえば、『TIGER & BUNNY』のヒットが記憶に新しいが、今回はその路線を踏襲するらしい。

 思い出は美化される、とはよく言われるが、その思い出を裏切らない形で幼い頃に見ていたアニメが復活するなら、オールドタイプなアニメファンも喜ばしい限り。そして、生まれ変わった古典アニメを見た若いアニメファンがシリーズに興味を持ち、幅広い世代が作品のファンになればコンテンツの展開も活発になり、今後も新作が作られていくことだろう。このように世代を超えて愛される作品が増えていけば、アニメが本当の意味で「文化」として定着していくのではないだろうか。
(文=龍崎珠樹)

「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから

最終更新:2019/03/01 18:31
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