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週刊アニメ時評 第38回

不可解な“原作改変”繰り返し、視聴者を挑発し続けた『さくら荘のペットな彼女』いよいよ最終話

 映像化する際に原作の設定やストーリーをアレンジする原作改変はこれまでもしばしば見られていた現象であり、例えば反社会的なシーン(未成年の喫煙や飲酒、性行為など)やNHKなどの公共放送で特定の商標を取り扱うシーン(最近の例ではアニメ『バクマン。』の出版社名や雑誌名の改変など)、原作が未完結の作品であるためキャラクターの設定を変更する(2003年版のアニメ『鋼の錬金術師』など)といった例がある。

 確かに今までも原作ファンを中心に、こういった原作改変に対する不満が制作側に寄せられることはあったが、メディアの違いや放送時間の都合など、視聴者側も事情を察すれば納得できるものが大半である。

 だが『さくら荘~』の場合は、「サムゲタン」にせよ「卒業式」にせよ改変することのメリットや意味合いが不明瞭であり、なおかつツイッターでの発言などから制作側がアニメファン、視聴者を馬鹿にしている感が透けて見える点が問題なのだ。

 原作改変はどこまでなら許されるのか。また、制作者は視聴者に対してどう向き合うべきなのか。作品そのものの評価とはまったく異なる次元で、アニメ業界に多くの課題と問題を提示した『さくら荘~』も残すところあと1話。最後まで(いろいろな意味で)見逃すことはできない。

 願わくば少しでもななみんが幸せになってくれますように!
(文=龍崎珠樹)

「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから

最終更新:2019/03/01 18:31
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