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『紅白歌合戦』にザ・コレクターズが苦言を呈す!? 「口パクか生演奏かどっちかにしてくれ!」

■「おニャン子は皆殺し!」パンクロックで培ったスピリット

1304_katou_collectors.jpg加藤ひさし氏
(写真/後藤秀二)

――今年の1月8日に、怒髪天さんが1年後の武道館ライブを発表しました。「デビュー30周年でついに!」と話題になりましたが、そのニュースを見た時に、今また、みなさんの世代の方々が盛り上げているのかな、という印象を受けたんです。

古市 怒髪天は頑張ってるもんねえ。

加藤 うん、怒髪天は頑張ってるよね。

古市 頑張ってる奴が結果を残してさ……って、まだ武道館ライブは1年後だけど(笑)、でも、そうやって上り調子なのはいいよね。

加藤 嬉しいよね。

――ちなみに、実は「サイゾー」は創刊して14年目なんですが……

加藤 えー! そんなやってんの? よくやって来れたよねえ、この内容で。

――はい、なんとか潰されずにここまで来ました(笑)。しかもこれが、広告が全然入らない媒体でして……

古市 そりゃあ入んないだろうね、これじゃねぇ(苦笑)。

――なので、財政的に言うと、正直苦しいんですけど……

加藤 だってこんな内容じゃあ、霊感商法の広告とかしか打てないもんねぇ。

――もしくは、アダルト関連のメーカーさんか。で、話を戻しますが……

古市 あ、サイゾーって、雑誌はこれだけなんですか?

――え? いや、雑誌は「サイゾー」だけなんですが、ほかにも……

古市 なになに? 不動産でもやってんの?

――いやいやいや(笑)。WEB媒体をいくつかやってます。

加藤 WEBが元気なんだ。じゃあ、もう雑誌のほうは紙の無駄遣いなんじゃないの?

――そんなことないですよ! とはいえ、そんな「サイゾー」も、昨年の4月にリニューアルをしまして、その際に行った読者層リサーチの結果、実は、40~50代の読者の方にかなり支えられてることがわかったんです。これは雑誌に限らずだと思うんですが、例えば、今の音楽業界や映画業界は、この世代の人たちにいろんな意味で支えられているのではないかと思うのですが、実感することはありませんか?

加藤 40~50代っていうのはさ、「パンクな感じ」っていうのを体現している世代なんだよね。俺が高校生の時に「パンクロック」っていうジャンルが日本に入ってきたんだけど、当時、ファッションからロックンロール、アートに映画作りと、とにかく「パンクロック」の“ぶっ壊す感じ”がいろんなカルチャーに影響を与えたと思うよ。だから、その変化を体感した俺ら世代っていうのが一番、サイゾーがやってるようなタブーに切り込むものに対して、刺激的に感じるんじゃないかな。それまでの既存のロックンロールが嫌になって、ぶっ壊すことを求めてきたわけだから。一番理解があるし、一番知りたいし、一番勉強したいんだよね。

 若い頃はさ、それまでの既成概念をぶっ壊したくて仕方なかったんだよね。ちょうど、俺がロックンロールに一番熱かった頃におニャン子クラブが出てきてさ、「全員皆殺し」って思ってたもん。

――おニャン子皆殺しですか(笑)。

加藤 そうだよ。「俺のギターの音色でこいつら全員ブッ潰してやる!」みたいなね。それがパンクだと思ってたよね。でも悲しいかな、今もAKB48がこれだけ盛り上がっていて、当時と結局なんにも変わってないっていう現状があるわけよ。だけど、やっぱりパンクロック世代の俺としては、「お前らモッズも知らないから、そんなヘラヘラしたものしか聴いてられないんだ!」って思うんだよね。

――そういえば、昨年のレコード大賞の発表の前に、服部克久審査員長が「これが日本の音楽業界の現状です」という発言をして、注目を集めました。実際、AKB48しかCDが売れていないという状況に、嫌悪感など持っていらっしゃるのでしょうか?

加藤 いや、嫌悪感と言うよりは、俺はちょっとSF的に今の音楽業界を見てるんだよね。「あ、未来ってこういうもんなんだな」って思ってる。それはつまり、自分が思ってるほど、未来はよくなっていくものではないってこと。だから逆に、10代の頃は「既成概念をぶっ壊したい」っていう思いがすごく強かったんだけど、今は、自分が思い描いていたものが必ずしもいいものってわけではないんだなって思う。

 例えば、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』っていう映画。あれは近未来を描いた作品だったけど、そこに描かれた未来は、ぶっ壊れたエレベータに、チンチンの絵がスプレーで描かれている団地の図なわけよ。でも、俺たちにとって未来っていうのは、スターウォーズみたいなハイテクなことが起こる世界なわけじゃない。だけど、ハイテクになっていてほしいって願っていても、結局は、動かない団地のエレベータが未来だった、っていう……。

 だからね、「これが日本の音楽業界の現状です」って服部さんが言ったのは、スターウォーズ的な未来を予想していたからじゃないかな。だけど結局は、なにも大きな革命は起きなかった。そういう失望と共に語ったんだと思うけど……俺はある意味、これはキューブリックの未来感であって、AKB48が売れることのほうがナチュラルなことなんじゃないかな、と今は思ってるよ。

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