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『紅白歌合戦』にザ・コレクターズが苦言を呈す!? 「口パクか生演奏かどっちかにしてくれ!」

■ダメダメな音楽番組とNHKドラマの素晴らしさ

――これは、ポットキャストでもお話しされていたことですが、『紅白歌合戦』(NHK)って、基本的にカラオケじゃないですか……

加藤 矢沢(永吉)さんは違ったじゃん。

1304_kohtaro_collectors.jpg古市コータロー氏
(写真/後藤秀二)

――確かにそうなんですが、それ以前に、最近の楽曲って、アイドルブームの影響もあって、リップシンク、つまり口パクが増えていて、そういう曲がテレビでもライブでも普通になってきていると思うんです。そこで加藤さんが、「カラオケで歌わされるなんて死んじゃうよね」とおっしゃっていたのが印象的でした。

加藤 あー、それはちょっと意味が違ってね。カラオケで歌わせるくらいなら、口パクか生演奏かどっちかにしてくれってことなんだよ。ロックのヴォーカリストって、そんな簡単にカラオケで歌うわけにはいかないんだよ。たくさんの人に聴いてもらう場でやっつけのカラオケに適当なバランスで下手くそな歌を歌ったら、マイナスプロモーションでしょ? 「だったらリップシンクで、口パクでやらせてよ」「じゃなくて真剣に俺たちの音楽が聴きたいなら、生演奏でやらせてよ」って意味なの。下手くそなカラオケの番組なんて、紅白以外にもいっぱいあるでしょ? あれならリップシンクのほうがずっといいと思うよ。

 イギリスで放送されていた60年代の音楽番組で『READY STEADY GO』っていうのがあったんだけど、あの番組は全部リップシンクだった。すごくいい番組だったと思う。だから俺は、リップシンク自体が悪いとは全然思ってないよ。ただ、中途半端なことはやめてほしいんだよね。音楽番組の人は必ず言うのよ、「生っぽく歌ってくれ」と。「ふざけんな!」って話だよ。生なら生演奏だろ、と。ちゃんと番組作りたいんだったらリップシンクだろ、と。予算がないんだかなんだか知らないけど、それで「うちは生でやってます」みたいな、そこの根性が嫌なんだよ。

――なるほど。そう考えると、先日話題になった、ビヨンセの口パク騒動もプロだからこそ、ということですよね。そんな中で、最近、「わかってるな」「面白いことやってるな」と思った音楽番組とかってありました?

古市 いやー、テレビを観ないからなー。

加藤 そうなのよねー。やっぱ去年末の『紅白』の五木ひろしさんかなー。エレキギターを持って「夜明けのブルース」を歌うんだもんなー。

古市 そうそう、今回の五木ひろしさんの演出って、1年前から構想があったらしいよ。

加藤 え? あの“エリック・クラプトン化”の構想?

古市 「日刊ゲンダイ」(日刊現代)にそういう見出しで記事が出てたよ。

加藤 1年もかけてたんじゃあ、俺たちも軽々しく言えないな。あ、じゃあ、“あのギターストラップ”も1年前から考えてたわけでしょ? 「NUKE IS OVER」【編注:「原子力は終わったんだぜ」的な意味】。

――斉藤和義さんの「NUKE IS OVER」は確かに気になりましたよね。お2人は毎年、『紅白』は観られてるんですか?

加藤 コータローくんは観てるよ。

古市 観てるっていうか、(テレビを)付けてるよね。関係ない時は観てないもん。

加藤 え? どういう時が関係ないの?

古市 えー、例えば最近の人は興味ないわけよ。ももいろクローバーZとか、きゃりーなんとかとかさ。対して、五木さんとかサブちゃん(北島三郎)とかが出てきたところで、椅子を移動させて前のめりに観るわけよ。

加藤 サブちゃん、今年風つえーなーみたいな?(笑)

古市 まあ、裏番組も観る気がしないしね。

加藤 そうだよね、裏がひどいよ、裏が。

古市 てゆーか、テレビがひどいよね。全部おもしろくない。

加藤 テレビは最悪だね。サイテーだ。バカになるよ。あんなもん観てたら。

――と、言いつつ、コータローさんはNHKドラマはチェックされるんですよね?

古市 いや、NHKはいいですよ。NHKはいい番組作りますよ(笑)。

加藤 俺、『梅ちゃん先生』(NHK)見逃したんだよなー。だってさ、主人公の梅ちゃんが男だと思ってたんだもん。金八先生みたいなノリのタイトルだから、教師モノだと思ってたし。

古市 いやいや、先生にもいろんな先生がいるんだよ。あ、でも、BSでも観られるから、それで観たらいいじゃん。

加藤 えー、俺はさ、SNSとかで、みんなとリアルタイムで盛り上がりたかったわけよ。

古市 大丈夫、BS放送の時もしっかり盛り上がるから。

――NHKドラマといえば、サイゾーの2月号では、大河ドラマ特集っていうのもやっておりまして……

古市 僕は大河ドラマはダメなんだよね。興味ないの。

加藤 面白くないよねえ。

古市 昔の『天と地と』(NHK)とか観て育ってるとさ、今出てるタレントたちはどんだけギャラもらってんだよ、とか、そんなんばっかり気になっちゃうんだもん。

加藤 あとヅラとの境目とかね。ハイビジョンになったから、すげーよく見えちゃうんだよね。観てらんねーよ、ヅラとの境目がさ。

古市 確かに、見てほしいよね、70年代の勝海舟を。

加藤 ヅラどうにかしようよ、ヅラ!

――やはり小倉●昭さんのヅラとは、ちょっと意味が違いますもんね。

加藤 こらこら、その辺のヅラと一緒にするな。隠してるヅラと役者のヅラは違うでしょうが!

――すいません(笑)。

ザ・コレクターズのアツいインタビューはまだまだ続く!
【後編】はコチラから!
コレクターズ『99匹目のサル』発売記念インタビュー(後編)
『音楽業界最大のタブー「印税のJASRAC一社独占管理体制」と“YAZAWA”の偉大さとは?』

ザ・コレクターズ
1986年にデビューした、ブリティッシュ・ロック系バンド。91年からは、現在のレーベル、日本コロムビアで活動を開始。その際、初期メンバーであったドラムのリンゴ田巻、ベースのチョーキーとしはるに代わり、ベースとして小里誠が、ドラムとして阿部耕作が参加した。現在は、全国ツアーも開催中!(下記参照)

加藤ひさし
1960年、埼玉県生まれ。ザ・コレクターズのリーダーであり、ボーカル担当。 矢沢永吉の作詞をはじめ、小泉今日子や沢田研二に楽曲を提供するなど、作詞・作曲家としても活躍している。著書に、『アメイジング・ストリート』(ソニーマガジンズ)、『池袋交差点24時』(P-Vine BOOKs)。

古市コータロー
1964年、東京都生まれ。ザ・コレクターズのギター担当。リッケンバッカーのコレクターとしても知られている。また、愛するビザールギターを聞かせるべく、古市を中心とした「Kotaro and The Bizarre Men」としても活動を行っており、12年には1stアルバム『エレキの若旦那』をリリース(加藤も参加)。

99匹目のサル
今年1月23日発売された、ザ・コレクターズ19枚目のアルバム。シングル曲「誰にも負けない愛の歌」「未来地図」を含む12曲入りで、初回限定盤には6本のPVを収めたDVDが付属されている。2月10日からスタートした全国ツアーも要チェック!

1304_99monkeys.jpg

【THE COLLECTORS「99匹目のサル」収録曲】
01. 喜びの惑星
02. 未来地図
03. プロポーズソング
04. 99匹目のサル
05. 誰にも負けない愛の歌
06. オスカーは誰だ!
07. ドーナツソング
08. ごめんよリサ
09. 残像恋人
10. 雨と虹
11. 電気を作ろう!
12. COME ON LET'S GO!

<初回限定盤DVD>
01. プロポーズソング(MUSIC VIDEO)
02. 99匹目のサル(MUSIC VIDEO)
03. COME ON LET'S GO!(MUSIC VIDEO)
04. オスカーは誰だ!(MUSIC VIDEO)
05. 未来地図(MUSIC VIDEO)
06. 誰にも負けない愛の歌(MUSIC VIDEO)

【ライブ情報】
THE COLLECTORS TOUR 2013 「MOD TONE」

2013年3月30日(土)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2013年3月31日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
2013年4月6日(土)沖縄県 桜坂セントラル
2013年4月13日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2013年4月14日(日)大阪府 大阪BIG CAT
2013年4月20日(土)東京都 新木場STUDIO COAST

詳しくは、THE COLLECTORS OFFICIAL WEB SITEへ!

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最終更新:2013/03/30 09:30
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