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フジ『最高の離婚』、“実際の”視聴率は2倍? 正確な視聴率調査が行われないワケ

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。

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フジ『最高の離婚』、“実際の”視聴率は2倍? 正確な視聴率調査が行われないワケ – Business Journal(4月21日)

「Thinkstock」より

  テレビ視聴率とは、番組の人気度を測る重要な指標であり、調査会社ビデオリサーチが関東地区、関西地区、名古屋地区で各600世帯、それ以外の地区では各200世帯、全国27地区で計6600世帯を対象に、地区ごとに調査している。

 このテレビ視聴率において、テレビ朝日は4月1日、2012年度の平均視聴率が、ゴールデンタイム(午後7~10時)とプライムタイム(午後7~11時)において、1959年の開局以来初の首位を獲得したと発表した。また、全日帯(午前6時~深夜0時)では42年ぶりの2位を獲得した。

 しかし、テレビ視聴率には録画視聴者数が含まれていないため、テレビ業界内では、「実際の視聴率では、録画視聴者数が多いドラマに強いフジテレビやTBSのほうが、上回っているのでは」との見方もある。

 このように、最近、現在のテレビ視聴率調査が、デジタル化による録画視聴者数の増加や、スマホやワンセグなどの視聴スタイルの多様化などに追いついておらず、「実態を反映していないのではないか」という指摘が増えている。テレビ業界からも、「反響が大きい割に、視聴率が伸び悩むケースも多い」との声も上がっている。

 そこで今回、テレビ視聴率調査に詳しいリサーチ評論家の藤平芳紀氏に

「なぜ現在のテレビ視聴率調査は、実態を反映できていないのか?」
「リアルタイムより録画で視聴する人が多いドラマの、本当の視聴率とは?」
「より正確な視聴率調査が実施されない理由とは?」

などについて聞いた。

–現在ビデオリサーチにより行われている視聴率調査について、「実態を反映していない」と指摘する声も聞かれますが、どのようにお考えでしょうか?

藤平芳紀氏(以下、藤平) 去る2月1日、NHKのテレビ放送が始まって60年の歳月がたちました。この間、視聴率調査はテレビの進歩・発展とともに歩を進めてきました。しかし、テレビにデジタル化という大きな波が押し寄せてきたとき、視聴率調査はその波に上手く乗ることができませんでした。

 これまでテレビの視聴者は、テレビ局から一方的に送られてくる番組を視ていました。つまり、限られた選択肢の中から視たい番組を選ばざるを得ませんでした。ところが、デジタル化によって、多メディア化・多チャンネル化になり、視聴者のテレビを視るスタイルや環境は、多様化しました。選択肢が大きく増えたわけです。

 例えばワンセグ放送が始まり、携帯電話やスマホでもテレビ視聴が可能になり、自宅以外の場所でテレビを視る機会が増えました。加えて録画装置も進化して、外で働いている人は、番組は録画して、時間ができたときにそれを再生して視るというような傾向も加速していることはご存じの通りです。

–現行の視聴率調査は、そうした多様化をカバーしきれていないということでしょうか?

藤平 そう思います。ビデオリサーチ社がよりどころとしている視聴率調査の定義は、50年前の創業時に取り決めた「自宅の据え置き型テレビで、番組を放送とリアルタイムで視聴した世帯の測定」です。つまり、世帯別に自宅のテレビに取り付けた視聴率測定機の稼働状況を捉えたチューニング・データなのです。

 ビデオリサーチは、1962年に視聴率調査を開始しましたが、その当時は、テレビはお茶の間に鎮座していて、家族全員でそろって番組を視ていましたから、テレビの電源が入っているのに、きちんとそれを視ている人がいない、という状態はなかったのです。ですから、視聴率調査は、「世帯の視聴を測定する調査」でも十分でした。

 しかし今はどうでしょう。テレビがついていても、誰もきちんと視ていないケースも多いですよね。つまり、従来の定義では今日の多様なテレビ視聴を捉えきれない時代になっているのです。「視聴者はどのような視聴環境で、どういうテレビの視方をしているか」を捉えるビューイング・データでなければ、十分ではなくなっているのです。

–つまり、現在広く使われている「視聴率」は、実際の視聴率とはかなりかけ離れたものになっているというのでしょうか?

藤平 その通りです。今の視聴率調査では先にご説明した視聴の「定義」が邪魔をして、例えば職場や公共の場所など、自宅以外で視る番組の視聴もそうですが、携帯電話やスマホ、自動車搭載テレビの視聴や、録画したものを再生で視るケースの測定は、すべて「uncounted viewing」、つまり「視聴の測定漏れ」となってしまっているのです。

–実態を反映させた視聴率を測定するには、どういう調査が望ましいとお考えですか?

藤平 ひとつの例として、データニュースという会社が行っている「テレビウォッチャー」というウェブ調査があります。この調査は、20歳以上の男女を対象に、毎日、地デジ7局とBS7局の計14局すべての番組表を送信して、彼らが視た番組をクリックしてもらいます。その上で、どのくらいその番組を視たのか、つまり「全部視た」のか、「半分以上視た」のか、または「3分の1程度」だったのか、あるいは録画で視たのかなどを回答してもらいます。

 また、その番組を視た人には満足度を5点法で評価してもらい、具体的な感想も記述してもらいます。この調査は視聴率ではなく、「回答者数3000人の中で、実際に何人がその番組を視たのか」を調べる視聴者数をカウントするもので、接触数という呼び方をしていますが、「テレビの視られ方」をより具体的に反映しているのではないでしょうか。テレビの視られ方が多様化した今日、このように実際に視た人のデータを読み取る指標が必要になっていると思います。しかも、より大きなサンプル数の調査なので、性別や年齢別に詳しく分析することもできます。近く5000にまで拡大する計画にあるとも聞いています。

 ただ、このデータはインターネット調査ですから、調査サンプルに代表性がないという欠点もあります。しかし、今の時代に「サンプルの代表性」が得られる調査は存在しなくなっているのです。であるならば、「経済性」と「迅速性」、「有用性」がニーズに合致していれば、十分に使えるデータになり得ると思います。そのためにもしっかりとした「ノーム値」を持っておかねばなりません。この調査は、例えば月曜日の番組は木曜日に結果が出ますので、発表までに3日を要しますが、番組の視られ方のほか、視た番組の評価や具体的な感想、録画の状況を測定できるのであれば、それは大きな進歩ではないかと思います。

●ドラマでは、録画視聴者のほうが多い番組も

–この調査結果をみると、やはりドラマは録画で視る人が多いようですね。

藤平 ドラマの中でも、『夜行観覧車』(TBS系)や『最高の離婚』(フジテレビ系)、それから『母。わが子へ』(TBS系)など、ヒューマン・ドラマ色が強く、最初からじっくり視たい内容のものは録画で視る人が多い傾向が現れています。

 例えば、『最高の離婚』の2月14日の結果は接触者数(自宅の内外を問わず視聴した人数)145人に対して録画で視た人は209。3月1日の『夜行観覧車』は接触者数159人に対し、録画で視た人187人と録画で視た人のほうが多い。『とんび』(TBS系)も、第1回放送は接触者198人に対し録画182。最終回は接触者230人に対して録画166人と、録画で視る人が結構多い。低視聴率と言われていた『サキ』(フジテレビ系)も同様(最終回:接触者数139人、録画数151人)の傾向です。

 一方で、同じドラマでも、『相棒』(テレビ朝日系)やNHKの大河ドラマ『八重の桜』、朝の連続ドラマ『あまちゃん』のような番組は、録画する人は逆に少なくなっていますね。アニメやスポーツ、ニュース、バラエティーなども同様です。番組によって、どういう視られ方をしているのか、特徴がハッキリわかるのです。 

–これだけ録画でテレビを視る人が増えているのに、そうした事情を加味した視聴率調査はできないのでしょうか?

藤平 やろうとすれば、すぐにでもできますよ。すでにアメリカやイギリスでは数年前からやっていますし、それをもとにしてCMは売り買いされているのですから。そうした調査をビデオリサーチ社が開発できないのであれば、そのシステムを買いさえすればいいわけです。そうすれば、

 ・ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラスセイムデイ
  …24時間以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラス3デイズ
  …3日以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラス7デイズ
  …1週間以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率

の4つの視聴率の算出が可能になります。

–できるのに、行われない理由はなんですか?

藤平 理由は2つあります。まず、一番手っ取り早いのは番組にコード付けして、それを読み取る方法があるのですが、電波法の規制により、これができないことが第一です。映像が劣化する危険性があるからと、番組内へのエンコードが禁じられています。

 次は視聴率調査会社ビデオリサーチの背景を知る必要があります。同社の創立以前、大手広告代理店・電通やテレビ局は独自に視聴率調査を行っていました。しかし、それでは信用性に欠けるということから、第三者機関による視聴率調査を行おうということになり、電通の吉田秀雄社長(当時)が主導的役割を果たし、民放18社に加え電通と東京芝浦電氣(現東芝)が出資してビデオリサーチを設立したわけです。ところが独立した第三者の調査機関であったはずなのですが、現在、ビデオリサーチは大株主の電通が支配的な経営を行うようになっているため、その意向を無視できないのです。

 忘れてならないのは、視聴率というのは、人々の番組の嗜好を測定する指標であると同時に、テレビ局や広告代理店にとってはスポンサーのCM料金、すなわちテレビ局の売り上げにかかわる重要な広告効果の指標の1つでもあるわけです。そういう視聴率調査に、CMは早送りで視る人が多い録画で視る人の数を加味しても、彼らにとっては意味のない調査になるのでしょうね。「録画で視る人を視聴率調査する必要がない」という電通の意向が、このシステムの導入を大きく阻害しているのだと思います。一刻も早く、真のテレビの視られ方の尺度が確立されることを望みますね。そうでなければ、ビデオリサーチは番組の視聴を調べるのではなく、CMの視聴率を測定する道を選ぶことです。実情に合わないテレビの視られ方を調べて、「これがこの番組の視聴率です」とは言えません。
(構成=編集部)

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最終更新:2013/04/22 07:00
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