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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.241

二階堂ふみとのデートは“地獄めぐり”で決まり!“史上最凶”のアイドル映画『地獄でなぜ悪い』

jigokudenazewarui01.jpgトロント映画祭ミッドナイト・マッドネス部門で観客賞を受賞した『地獄でなぜ悪い』。美少女地獄はカナダ人も魅了した。

 『地獄でなぜ悪い』は、二階堂ふみの暴力的なキュートさが煮え立つ作品だ。ロープで緊縛された姿、男に靴を履かせるよう命じる様子、ガラス片を口に含んでの危険なディープキス、CMソングを無邪気に口ずさむ表情、そして日本刀を片手に敵対するヤクザ事務所に殴り込むクライマックス……。現在19歳(撮影時17歳)、沖縄出身、特攻服の似合う男にシビれてしまうというヤンチャな女優・二階堂ふみの全てが愛おしくスクリーンに映し出されていく。クレジット順はキャリアの長い諸先輩たちに先を譲っているが、園子温監督作『地獄でなぜ悪い』は女優・二階堂ふみの魅力を楽しむためのアイドル映画である。ひとりの女優の美しさを記録するために、園子温作品は存在すると言っていいだろう。

 永井豪の人気コミック『あばしり一家』と深作欣二監督の『蒲田行進曲』(82)を合体させたかのような、エロス、バイオレンス、映画愛がグルグルネリネリした『地獄でなぜ悪い』。ストーリーは正直いって、田舎の高校生が考えた自主映画のような代物だ。でも、そんな企画をオールスターキャストで映画化できちゃうのが、今の園子温監督の凄さ。恐るべし、51歳!

 物語の鍵を握るのは、自主映画製作集団「ファック・ボンバーズ」を主宰する映画監督志望の男・平田(長谷川博己)。“平成のブルース・リー”ことアクション俳優志望の佐々木(坂口拓)と共に、「永遠に刻まれる一本」を撮り上げる日を夢想してきた。30歳にもなってうだつの上がらない生活を送っていた平田たちだったが、ついに奇跡が起きる。「映画の神様、いつか映画を撮らせてください」とかつて神社で願掛けしていた平田に、まさかのオファーが10年越しで舞い込んだのだ。製作費と機材はすでに用意されている。条件は2つだけ。新人女優のミツコ(二階堂ふみ)の主演作として、8日間のうちに完成させよということ。ミツコは地元ヤクザの組長・武藤(國村隼)の愛娘で、近々刑期を終える母親(友近)の出所までにミツコ主演作を仕上げなくてはならなかった。平田は満面の笑顔で、この無謀なオファーを引き受ける。


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