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ソチ五輪金の経済効果は5700億円! 韓国国民が熱望する第2のキム・ヨナ

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 冬季五輪の花形ともいえるフィギュアスケート。現在、女子フィギュアのトップに君臨するのが韓国のキム・ヨナだ。常に完璧な演技を見せる彼女のテクニックは、もはやここで紹介するまでもないが、日本同様、彼女の周りにも”金”をめぐる話は少なくないようで……。

 本号が発売される頃にはソチ五輪が開幕し、連日の報道が盛り上がりを見せているだろうが、お隣の国、韓国でもそれは同様だ。前回大会のバンクーバー五輪で金6、銀6、銅2(全出場国中5位)を獲得した韓国冬季五輪選手団だが、今回もメダルラッシュが期待されている。

 2月に入ったあたりから、韓国のスポーツ関連媒体はウェブ上でソチ五輪の特集を組んでいるが、内容を精査してみると、メダルの期待がかかる種目は2つある。ひとつは得意種目のスピードスケートで、もうひとつが、いわずもがなキム・ヨナ擁するフィギュアスケートだ。

 日程的にも前半に行われるスピードスケートでメダルを獲得し、その流れで最後はキム・ヨナが登場するフィギュアを金で締めくくりたい──というのが、韓国国民の期待であろう。

 振り返れば2010年、キムがバンクーバー五輪で金メダルを獲得してから、もはや韓国国民で彼女の名前を知らない人はいなくなった。テレビや雑誌、百貨店、地下鉄、バスなどの広告塔として起用されるのは当然、今でもキムには多くのスポンサーやCM出演などの依頼が舞い込んでいるが、4年前の韓国メディアの見出しを見れば、その影響力がよく見える。

 各媒体には、莫大な経済効果を例えて『ヨナノミクス』という単語が飛び交い、「キム・ヨナが韓国を養う!」という表現も散見できた。4年前の金メダル獲得による全体の経済効果は5兆2350億ウォン(約5000億円)、ソチ五輪に至っては6兆ウォン(約5700億円)と発表されたが、これはキム・ヨナの個人収入、CM出演による広告商品の売り上げ、国家イメージの宣伝効果などの合計金額。ひとりのスポーツ選手がこれだけの経済効果を上げるのは異例のこととして、韓国国内では衝撃を与えた格好だ。

 また、12年6月時点で韓国の広告代理店イノーション・ワールドワイドが調査したところ、現代自動車、KB国民銀行、サムスン電子、毎日乳業などを中心に、136ものCMに出演したと報告。ちなみに国内最大手のKB国民銀行はキムを長らくスポンサードしているほか、サムスン電子やエコLPガス専門企業のE1の広告モデルに起用する見返りとして、トレーニングにかかる費用を別途支援している。

 韓国の有力スポーツ紙「イルガンスポーツ」の元フィギュア担当記者で、現在はフリーライターのソン・エソン氏は、「韓国国内におけるキム・ヨナの存在は、すでにスポーツ選手の枠を超えています」と語る。

「キム選手がスポンサーから絶大な人気があるのは既知として、国民的に愛されるスター選手でもあり、実際に広告塔として起用すると製品の売り上げは伸びるといわれており、その効果は韓国トップクラス。現在はソチ五輪の準備もあってメディア露出が減ってきた印象ですが、大会終了後はまた回復すると予測されます。2月初旬、韓国のテレビ局SBSがキム選手の広告収入を分析していましたが、そこではソチ五輪後100億ウォン(約9億5000万円)の広告収入があると見込んでいました。広告収入だけでこの金額なので、もはや”歩く中小企業”などの呼称で呼ばれることもあります」(ソン氏)

 一方で、いちスポーツ選手に対して莫大な金額が動くことに、韓国国内では「あまりにも広告に出すぎてはいないか」という批判的な声もあるという。

「韓国社会や韓国人は、選手の副業に対して少なからず保守的なところがあります。例えば12年、キム選手がビールのCMに出演したことで、韓国国内では批判的な声が上がりました。というのも、男子選手がアルコール飲料のCMに出演することはありますが、キム選手のファンは未成年が圧倒的に多く、悪影響を及ぼすことが懸念されたんです。とはいえ、それでもフィギュアスケートはほかのスポーツに比べて莫大な練習費用がかかるので、広告収入は必要だったといえます。今では練習費用が足りないとか、そういうことはありませんが」(同)

 さらに、「キム・ヨナ人気に便乗する形でスポンサー数は比例して増えていくも、ソチ五輪期間は露出が少ない」とソン氏は繰り返す。その理由は国際オリンピック委員会が、五輪会場で選手を使った商業的な活動を制限しているからにほかならない。現にキムを支援するスポンサー企業のひとつLSネットワークスは一時的に宣伝を中止した。ただ、五輪の公式スポンサーの活動には制限がないため、そこに名を連ねるサムスン電子は、キムをモデルにした広告活動を展開しているという。

■18年冬季五輪にキム・ヨナの後継者は現れるのか?

 このように圧倒的な人気を誇るキムだが、既報の通り、ソチ五輪で引退を示唆している。無論、韓国メディアは後継者に注目しているが、「”第2、第3のキム・ヨナ”が現れるのには時間がかかります。日本のフィギュアスケートでは次々と若手選手が台頭するのに比べて、韓国にはその土壌が弱い」とソン氏は語る。

つづきはコチラから。

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最終更新:2014/02/22 07:30
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