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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.280

はみだし警部マサラ系! インド映画界きっての暴れん坊が銃を手に大乱舞『ダバング 大胆不敵』

Dabangg01.jpg「ナマステ御免!」とばかりに悪党たちを一網打尽にしてしまうチュルブル・バンデー(サルマーン・カーン)。近寄ると危険な警察官だ。

 映画は客席に座って、静かに鑑賞するのが当たり前。そんな映画館の常識を根底から覆してしまうのが“マサラ上映”だ。ミュージカルシーンの多いインド映画を、観客も劇中の主人公たちと一緒になって大騒ぎして楽しんじゃおうというもの。マサラ上映中の劇場では、主人公とヒロインが見つめ合うラブシーンでは紙吹雪が舞い、銃撃戦ではクラッカーが鳴り、ミュージカルシーンでは登場人物に成り切ったコスプレ集団が立ち上がって踊り出す。そして上映終了後には、満足げな表情の人々が場内に散らかった紙吹雪や使用済みクラッカーなどのゴミを手分けしてせっせと片付ける……。マサラ上映を一度体験すると、映画の印象がまるで違うものに感じられるだろう。

 『アナと雪の女王』で企画された“一緒に歌おう”イベントはビミョーな空気のまま終了したが、マサラ上映は日本ですでに10年以上の歴史がある。もともとインド南部では、『ムトゥ 踊るマハラジャ』(95)などで知られるラジニカーントら人気スター主演作の封切りになると、地元の観客たちがお祭り感覚で劇中のスターと一緒に踊り出すという熱いノリがあるそうだ。2001年から大阪でクラッカーや紙吹雪を用意したマサラ上映を始めたところ異様なほど盛り上がり、日本で2013年に公開された『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(07)のロングランヒットでマサラ上映が一般的にも認知されつつある。そしてこの夏、マサラ上映で盛り上がりそうなのがサルマーン・カーン主演のアクション&ラブロマンス大作『ダバング 大胆不敵』。インド映画としてはかなり短めな125分の上映時間の中で、“マッチョスター”サルマーン・カーンが踊って恋して、銃を片手に暴れ回るという、非常にマサラ度数の高い作品なのだ。

 2010年にインドで公開され、その年のNo.1ヒットとなった『ダバング』。年間1200本以上もの映画が製作されている映画大国インドで、『ダバング』が大ヒットしたのはなぜか? サルマーン・カーン演じる警察官が、インド人もびっくりするほど強烈無比なアウトローキャラクターだったことに尽きる。主人公であるチュルブル・パンデーは善良なおまわりさんとは180度異なる、いわゆる悪徳警官。犯罪者たちを徹底的に痛めつけるだけならいざ知らず、押収した金品は自分や部下たちで着服してしまう。犯人追跡中にヒロイン(ソーナークシー・シンハー)を見初め、その後も公務を理由に付きまとい、ヒロインの家族を職務質問して根掘り葉掘り個人情報を聞き出してしまう。公私混同も甚だしいクレイジーポリスなのだ。「酔っぱらったお父さんを署で預かっている」とヒロインを警察署まで呼び出しては、部下と一緒に乱痴気騒ぎ。顔をこわばらせているヒロインをパワハラ&セクハラまがいのギャグ責めで無理矢理笑わせ、ヒロインがつい笑顔を見せると、署員一堂大喜びして銃をバンバン乱射しながら署内で飲んで歌ってエロいダンスを踊りまくる。このクレイジーな突き抜け方には、唖然呆然。日本のうっとおしい夏さえも忘れさせる、底抜けなパワーを感じさせる。


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