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劇中歌にも注目! クロエ・モレッツ主演『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』

JP-photomain-ISTAY.jpg「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」(C)2014 Warner Bros. Ent. and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights Reserved./配給:ワーナー・ブラザース映画

 今週取り上げる最新映画は、突然の悲劇に見舞われた女子高生が生死の淵で苦悩する姿を描くドラマと、人並み外れた性衝動を抱え、多くの男性と性交渉を重ねた女性の数奇な半生が語られる衝撃作。生きることの意味や、人生における性の意味について、あらためて考える機会を与えてくれる洋画2作品だ(いずれも10月11日公開)。


 『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』は、人気若手女優クロエ・グレース・モレッツが主演、交通事故で生死の境をさまよう高校生のある決断を描くドラマ。優しい家族と親友、恋人にも恵まれた17歳のミアは、チェロ奏者になる夢をかなえようと、ジュリアード音楽大学の入試に挑戦することに。だがある雪の朝、家族と同乗していた車が事故で大破。瀕死の重傷を負ったミアは、意識が体から離れ、病院に搬送された家族と自分自身の過酷な状況をただ傍観するしかない。充実していたこれまでの人生を振り返りながらも、ミアは次第に生きる意欲を失っていく。

 米作家ゲイル・フォアマンのベストセラー小説『ミアの選択』を映画化。監督のR・J・カトラーは、舞台とテレビでキャリアを築き、本作が長編映画デビューとなる。『キック・アス』(2010年)の過激なヒットガール役で一躍有名になったクロエも、いまや青春がよく似合う可憐な17歳。ロックミュージシャンを目指すボーイフレンドとの恋愛と苦悩から、家族や友人とのやりとり、自らの生死をどうするかという究極の選択までを、瑞々しく繊細に演じた。劇中で流れるクラシックとロックは、選曲もBGMとしての効果も見事で、キャストらの好演を引き立てている。ミアが置かれた状況は特殊ではあるけれど、恋愛、家族、夢、幸福、人生の選択といった、誰もが経験する普遍的な要素がたくさん詰まった本作。ネタバレの記事や口コミを避けて、ぜひ主人公と一緒に悩み、一緒にラストの決断を体験してもらいたい。

 『ニンフォマニアック Vol.1』(R18+指定)は、デンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督が、強い性的欲求を抱えた女性の半生を2部作で描く問題作。ある冬の夕暮れ、年配のインテリ独身男性セリグマンは、殴打され倒れていた女性ジョーを見つけ、自宅に連れて介抱する。回復したジョーは、セリグマンに何があったのか質問され、幼い頃からの性への強い関心と、大勢の男たちと交わってきた数奇な半生を語り始める。

 タイトルは「色情狂」の意味。現在のジョーをシャルロット・ゲンズブール、若い頃のジョーをフランス出身の新人ステイシー・マーティンが熱演。前編にあたる本作ではマーティンが実質的な主人公として、細身の裸身をさらしながら性の渇望と冒険を体現している。官能の探求と重ね合わせて、数学、宗教、音楽などさまざまな分野の知識と真理の追求が語られ、ユーモアを添える効果も。ウェルメイドの対極にあるかのような、突き抜けた問題提起と、安易な理解や共感を拒む濃厚なエピソード。相当に強度のある作品なので、後編にあたる『ニンフォマニアック Vol.2』(11月1日公開)とともに、体調を整えて臨みたい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』作品情報
<http://eiga.com/movie/80699/>

『ニンフォマニアック Vol.1』作品情報
<http://eiga.com/movie/80589/>

最終更新:2014/10/10 23:00
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