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ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第77回

ありとあらゆるダークサイト情報が満載! 賢い「ディープ・ウェブ」の歩き方

darksite0806wb画像はイメージ(「Thinkstock」より)

 ディープ・ウェブというのをご存じだろうか? 深層ウェブとも呼ばれているアンダーグラウンドのインターネット網のことだ。これらは、GoogleやYahoo!、Bingといった検索サイトからアクセスすることはできない。

 実は、一般的に知られている無限にも思えるウェブサイトは、インターネットのごく一部なのだ。インターネットに存在する多くのデータは、検索エンジンには引っかからない。その多くはデータベースが占めている。膨大なブログや巨大なSNS、数多のホームページを合計したものよりもさらに大きい規模で存在するのだ。一般ユーザーがアクセスできるものもあるし、セキュリティで守られているものもある。もちろん、ほとんどが合法的なものだ。

 ディープ・ウェブの最下層に、ダーク・ウェブと呼ばれるアンダーグランドなネットワークがある。そこにアクセスする際に利用するのがTor(The Onion Router)だ。その名の通り、タマネギの皮のように複数のネットワークを経由して、匿名性を確保するのが特徴。2012年の「パソコン遠隔操作事件」でも使われたので、名前だけは知っている人もいるだろう。当時の警察は、Torでの書き込みに手も足も出なかった。

 このTor、少しGoogleで調べれば誰でも利用することができる。Torの匿名サーバーにアクセスすると、英語ではあるが、ありとあらゆる違法な情報が飛び交っている。盗まれたクレジットカード番号や闇口座、銃器、偽札、児童ポルノ、偽造パスポート、果ては殺しの依頼まで。支払いはもちろん、仮想通貨のビットコインだ。中二病の人にとっては、自尊心を満足させてくれるツールなのかもしれない。実際、日本でもここ数年犯罪予告などで利用されることが増えてきた。

 しかしTorでさえ、情弱が使うと身バレする。いつも使っているWindows PCにTorを入れて掲示板に書き込むなど、危険すぎる。Torを動作させている状態でウェブを閲覧すると、世界中を経由するので遅くなる。そこで、通常は普通のブラウザーで閲覧し、悪さをするときだけTor経由で書き込むケースがある。この場合は、まず容疑者が一定数に絞れる上アクセスの痕跡から似たユーザーを見つけることができる。捜査機関が作成したおとりサイトにアクセスしてしまった場合も、出入りのトラフィックを監視することで、高確率で身元を特定することが可能だ。マサチューセッツ工科大学(MIT)は今年、おとりサイトを作らなくても、そのユーザーがアクセスしているサイトを88%の確率で特定できると発表した。きちんと使いこなさないと、DNS(編註:Domain Name System/ホスト名を元に、ホストの IP アドレスを教えてくれるシステム)から本来のIPアドレスが漏えいすることもある。そもそも、Torの脆弱性が発見される可能性だってある。Flashを使っているサイトを表示・利用してもアウトだ。

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