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週刊誌スクープ大賞

「社長が編集部に怒鳴り込んできた!?」文春編集長“3カ月休職”処分に求められる説明責任

 このところ、文春が2週続けてマイナンバーの特集を組んでいるが、あまりにも政府寄りの作りで感心しない。それならば、今週の現代の記事のほうがなんぼかいい。

 マイナンバーで「追徴課税」されるというのである。

 野田勝也さん(62歳・仮名)は、今年の春に父が亡くなった。その後、父の書斎から埃を被った1kg分の金のインゴットが見つかった。全部で10本、約500万円相当だったという。

 彼と弟が150万円分ずつ、母は200万円分を受け取ってすぐに換金した。そうすると「税務調査の実施のお知らせ」が届いた。

 マイナンバーで小口のお金の動きが捕捉されるようになって以降、出所不明の入金が当局に監視されているということを、野田さんは知らなかった。

 しかもこの場合、申告をしなかったペナルティとして、税額の20%の「無申告加算税」も追徴課税されてしまうそうである。

 だが、マイナンバーとは、国民から漏れなく税金を取ろうというシステムなのだから、こんなことは当然なのだ。

「マイナンバーがすべての銀行口座と紐づけられれば、税務当局は端末上で、その人、その家族の資産や納税状況の全体像をいとも簡単に把握することができるようになります。『当局のほうが、当人よりもはるかにその人の資産を知り抜いている』ということが当たり前になるでしょう」(相続に詳しいある税理士)

 また、税理士の北田朝雪氏はこう付け加える。

「サラリーマンの中には、講演や原稿執筆などで収入を得ている人もいます。これまで税務署は、収入額の少ない人の支払い調書までいちいち確認していませんでしたが、これからは、支払元が支払先の人のマイナンバーを把握しなければならないので、少額のアルバイト気分であっても必ず補足される。副業の収入をポケットに入れて済ませる、ということもできなくなります」

 これからは誰がどこにどんな口座を持っているか、当局はマイナンバーを使って見通すことができるのだ。

「彼らが夢見るのは、ありとあらゆるカネの動きが逐一国税局に報告され、毎年、年度末が近付くと全国民に『あなたが払わなければいけない税金は〇〇円です』と書類が届く、税金を取りっぱぐれない世の中だ。現に、国民番号制度を早くから導入済のヨーロッパ各国や韓国では、こうしたシステムがすでに完成している」(現代)

 マイナンバーとデノミをやれば、国民の虎の子のおカネまで全部透明になり、国にむしり取られるのである。その情報がハッカーによって流出すれば、オレオレ詐欺の被害がどこまで広がるかわからない。嗚呼!

 ラグビー日本代表のW杯が終わった。4試合で3勝1敗。3勝して決勝に進めなかったのはW杯史上初めてだという。

 イギリスでは、ほとんどの新聞がスポーツ面で日本の3勝目を取り上げ、「日本が1次リーグで大会を去ってしまうことは、ワールドカップにとって損失だ」と惜しんでいるという。

 スポーツ史上最大の番狂わせとまで言われた、第1戦の南アフリカ戦の大逆転勝利には、日頃ラグビーとは無縁の私のような者でも歓喜の涙を流した。まさに、日本のラグビー新時代が到来したのである。

 中でも背番号15、フルバックの五郎丸歩(29)は一夜にして日本はもちろん、世界中のラグビーファンの星になった。

 南アフリカ戦では24点を挙げ、サモア戦ではマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれ、サモアチームから最優秀選手の記念の杯を贈られた。

 正確なキック、勇猛果敢なタックルは敵の猛者たちを震え上がらせた。PG(ペナルティーゴール)のときのルーティンに見せる手を胸の前で重ねてちょっと首を傾げる仕草は、世界中の子どもたちが真似するようになった。

 南アフリカ戦の後、五郎丸はスポーツライターの藤島大氏にこう語ったという。

「勝利は必然です。ラグビーに奇跡なんてありません」

 五郎丸の父親は消防士をしていたそうで、熱烈なラグビーファンだった。3歳のとき兄たちの背中を追って福岡の「みやけヤングラガーズ」に入りラグビーを始めたが、自分はサッカーのほうをやりたかったと言っている。佐賀工業高校から早稲田大学。学生時代はスター選手として海外遠征も果たしヤマハ発動機に入った。しかし、最初のトップリーグ公式戦にラフプレーで6週間の出場停止。その頃は、「バッドボーイ」(藤島氏)のイメージもつきまとったという。

 2年目のシーズン途中に、会社の経営状態がよくないことを理由にチームが縮小されてしまうが、広報宣伝の仕事をしながらラグビーを続ける。彼は『不動の魂 桜の15番 ラグビーと歩む』(実業之日本社)で、子どものころ、一時期ラグビーからサッカーを始めた。だが、またラグビーを始めたが、サッカーが嫌いでやめたわけではなかったと言っている。「しいて言えば、兄から男だったらラグビーやれよと毎日のように言われていたから、売られた喧嘩は買ってやろうじゃないか、というような気持ちがあったかもしれない」(同著)

 次兄の亮には何をやってもかなわなかったが、負けず嫌いの気持ちだけは強かったそうだ。

 本の中で、フルバックについてこう書いている。

「フルバックというのは、チームの1番後ろで、抜けてきた相手にタックルする責任も大きい。自分がタックルするだけではない。誰よりも前が見えるポジションだから、チームで後から指示を出すのも大切な仕事だ。そのためには、いつも頭をクールにしておかなければならない。常に周りとコミュニケーションをとって、情報を集めて、最適な判断を下す」

 今回のW杯についても、こう決意を語っていた。

「僕たちが目指す2015年ワールドカップ。そこでは、ラッキーの勝利はありえないだろう。自分たちに少しでも隙があれば、無残な敗北を強いられる。それはとてつもなく困難なチャレンジだ。だけどチャレンジは、困難であればあるほどやりがいがある。振り返れば、僕は3歳の時から、目の前の壁に立ち向かい、苦しみながら歩んできた。ラグビーからすべてを学んできた」

 エディー・ジョーンズヘッドコーチのしごきともいえるようなハードトレーニングにも耐え、正確なキックを磨いてきた。流した汗で見事な大輪の花を咲かせた。

 現代で兄の亮氏が、佐賀工高時代のことをこう話している。

「『僕が正面から当たると、弟はぶっ倒れる。でも立ち上がって何度も向かってきた。その根性と勇気はすごかった』

亮さんが高校3年、歩が2年生で迎えた花園の準々決勝。その年、公式戦2戦2勝の東福岡高に12-58と大敗した。

『自陣ゴール前でキックを空振り、タックルも中途半端。試合中にはほおをひっぱたきました』

 兄の高校生活に終止符を打った責任感から泣きじゃくる弟を見て、敗戦の話は封印してきた。

『挫折を糧に積み重ねた自信を感じる。今は尊敬できます』」

 早稲田のラクビー部の監督で、現在ヤマハ発動機ジュビロ監督の清宮克幸氏もこう語る。

「『最初で最後のつもりです』と私に言い残して挑んだW杯で南アフリカを撃破し、人生最高の経験をしたでしょう。でも、今の彼ならば、33歳になる19年の日本大会も活躍できる。『五郎丸時代』を作ってほしいですね」

 アメリカ戦後のインタビューで、五郎丸は泣いた。夢ではなくなっていた、すぐ手に届くところまで来ていた決勝戦に出られなかった悔しさが襲ってきたのかもしれない。

 五郎丸よ、19年の日本で開催するW杯がまだある。そこでまた、君のあのキックを見せてくれ。

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