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『具志堅良好!語録』発売記念インタビュー

「実はボクシング界のすごい人」具志堅用高に聞く、“あの伝説”の真相

■チャンピオンになればモテる! ……でも、遊ばなかった

――その頃には、プロボクサーになろうと思っていたんですか?

具志堅 いやいや、大学に行って五輪を目指そうと思ってたの。それで東京に行ったんだけど、空港で協栄ジムのマネジャーに捕まっちゃってね。

――それで、無理やりプロに?

具志堅 空港からジムに連れてかれて、そのままプロ入り記者会見をさせられちゃったからね。まあ、それも運命だよね。

――大学に進んでいたら、五輪に行けたと思いますか?

具志堅 いやいや無理だ。チャンスがあったとすれば、モントリオールかモスクワ五輪だったんだけど、モスクワはボイコットしたでしょ。結局、プロの道に進んで、モスクワ五輪の頃には、もう世界チャンピオンで10回くらい防衛してたんじゃないかな?

――一番脂が乗ってる時期に、モスクワ五輪だったんですね。

具志堅 ああいう、運命の……なんていうかな、どこへ行くかっていうので変わっちゃうんだろうなぁ、人生は。

――プロボクサーになっても、最初は全然お金にならないらしいですね。

具志堅 そうそう、電車の定期券買って終わりだよ。プロっていっても、みんなバイトしてるからね。デビュー戦は、先輩のトランクス借りて試合したのかな、買えないから。

――トランクスって、そんなに高いものなんですか?

具志堅 2万円ぐらいするんじゃない? 靴はもっとするよ。だから高校時代のを履いてたよ、シューズ。

――全然お金にならない世界で、将来どうなるんだろうっていう不安はありませんでしたか?

具志堅 将来なんて、なんにも見えない見えない。負けたらすぐに島に帰って、漁師になろうと思ってたもん。でもアマチュア時代からずっと、何年も負けてなかったから。どんどん勝っていって、プロ7戦目で世界ランクを倒したんですよ。それで先が見えたんじゃないかな? バイトやってる最中に、世界タイトルマッチ決定の電話がかかってきたんですよね。

――まだバイトをやってるような時期に、世界戦が! 試合中のことって、覚えてますか?

具志堅 覚えてる。あんなの二度とできないね。あの1試合だけです。挑戦者だからね、「こんなチャンスない」と思ってどんどん攻めまくったんですよ。一歩も引かないでね。だから勝てたんだし……攻めたってのがよかったね。

――世界チャンピオンになって、夢がかなっちゃった後、ボクシングに取り組む気持ちって変わりましたか?

具志堅 ボクシングが好きになったのよ。練習も好きになったね。

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