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オヤジ週刊誌が「ベッキー叩きは不倫したくてもできない人妻の嫉妬」と…ベッキー叩きもゲスだがこれも性差別!

 妻が夫以外の男性にときめきたい、恋をしたい、と考えること自体は何の不思議もない。夫である既婚男性のほうが浮気をしている割合は女性よりも高く、むかしから「浮気は男の甲斐性」などと肯定されてきたが、一方の女性は「妻の操を守れ」と言われ、倫理的にも社会的にも貞操観念をもつことが“教育”されてきた。つまり、妻にとって不倫はあらゆる面でハードルが高いのは事実だろう。

 しかし、問題はここから。「ポスト」はことから、人妻によるベッキーバッシングの動機を「嫉妬ややっかみ」だと解説するのだ。

 たとえば、記事中で39歳の人妻はバッシングの理由をこう語っている。

「不倫って感情のまま行動するベッキーを羨ましいと思う自分がいて、それがいっそう彼女に対する嫌悪を深くさせる」

 自分には不倫願望があるものの、それをひとりカラオケや韓流ドラマで我慢している。だからベッキーの開き直った態度が気にいらない──。ほかにも登場する人妻は、夫とはセックスレスのため女性としての人生に焦りを感じており、不倫する勇気がない。そうしたことから不倫をしたベッキーに「罪を感じてほしい」と願っているのだという。

 女が女への嫉妬からベッキーを猛バッシングしている。女ってやっぱり業の深い、コワイ存在ですね! ……結局、ベッキーを擁護するかのようにみせかけて、この「ポスト」の記事から滲み出てしまっているのは、「女vs.女」の対立を煽って高みの見物をするセクハラ中年男性的なメンタリティだ。まあ、オヤジたちの尽きせぬ欲望に付け入って“死ぬまでセックス”路線を敷く「ポスト」らしい記事といえばその通りだが、これこそ“ゲスの極み”ではないだろうか。

 不倫といえば、いま、イクメン議員で売っていた自民党の宮崎謙介議員による、妻で同じく自民党議員の金子恵美氏の出産直前に不倫をしていた件が世間を賑わせているが、圧倒的にゲスなこの不倫騒動も、「ポスト」的切り口だと「妻が妊娠・出産中の男の性欲は抑えがたいもの、女にはわからないだろうけど!」のような調理法になってしまう気がしてならないのだが。
(田岡 尼)

最終更新:2016/02/10 13:00
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