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アントニオ猪木が「アリ戦から40年」でマカオ興行も、本人欠席の危機

 しかし、IGF側の動きを見ると、「猪木・アリ40周年」の看板は日本向けの宣伝用のようにも思える。

 マカオのファンが1976年に日本武道館で行われた伝説の試合を知っているとも思えず、本当の狙いは中国進出にあるのではないか。

 IGFは先ごろ中国に、国内道場の20倍の規模の上海道場を設立し、すでに選手育成を開始。所属選手には中国興行のエース候補、中国人のワン・ビンもいて、マカオ興行後は香港や長江デルタなどでの中国巡業を予定。日本では恒例の大みそか興行『INOKI-BOM-BA-YE』を行う予定だが、宇田川エグゼクティブプロデューサーは「今後、日本、中国のどちらにも軸足を置く」とするほどだ。

 マカオではすでにIGFの試合中継が土日のゴールデンタイムに放送されて人気を高めており、現地スポンサーからの熱烈なラブコールもあっての興行開催。ちょうどプロボクシングが昨年夏に撤退して、現地カジノでエンタメ系のイベントが不足しているところも渡りに船だっただろう。

 猪木氏と同じ議員レスラーの澤田敦士が「IGFは猪木さんの言葉通り、一寸先は闇。何が起こるかわからない」と意味深につぶやいていたが、確かに何がどうなるかわからないのが猪木イズムの魅力でもある。それこそ猪木御大が不在という事態も、IGFにとっては“想定内”かもしれない。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2016/04/07 20:00
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