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嫌韓・嫌中から“嫌沖”へ!? 沖縄基地問題をめぐり、ネット上でくすぶる「沖縄ヘイト」

futenma.jpgWikipediaより/Sonata

 普天間基地の辺野古移設をめぐり、国と沖縄県の対立が続いている。昨年、翁長雄志沖縄県知事が、辺野古沖の埋め立て承認を取り消すと、国が県を訴えるという事態に発展。その後、和解が成立したが、菅義偉官房長官が「埋め立て承認に瑕疵はない」とした発言に翁長知事が反発するなど、国と県の溝は埋まらない。


 そんな中、「沖縄県民にとって、内地が住みづらくなりつつある」と話すのは、都内在住歴7年、沖縄出身の飲食店従業員男性(32)だ。昨年夏ごろ、都内の居酒屋で隣り合った初対面の酔客相手に自分が沖縄出身だと話した途端、基地問題における県の態度を非難され、「前回の知事選で、まさか翁長に投票してないだろうな?」などと絡まれたのだという。男性はそれ以降、出身地を明かす時は身構えるようになったそうだ。

 3月20日付の琉球新報に掲載されたコラムによると、同紙東京支社に勤務する記者が賃貸住宅に入居しようとしたところ、“右寄り”の大家から「琉球新報には貸さない」と拒絶されたという。

 神奈川県に住む沖縄出身の女子大生(21)にこの話をすると、「そのうち『沖縄県民には貸さない』という大家も現れるかもしれない」と不安がった。沖縄県民に対する厳しい意見を、ネットで目にしたばかりだったからだ。

 4月1日、辺野古移設に反対する抗議活動をしていた沖縄出身の芥川賞作家の目取真俊氏が、制限区域に立ち入ったとしてキャンプ・シュワブの米軍警備員に長時間拘束された。

「沖縄出身なのに、基地問題についてはあまり考えたことがない」と苦笑する前出の女子大生だが、この一件を伝えるネットニュースのコメント欄を見て、違和感を覚えたという。

「米軍の基地に勝手に入って捕まるのは仕方ないのでしょうが、『中国あたりのスパイだ』とか『銃殺してもいい』とか『そんなに基地が嫌なら引っ越せば?』とか、そこまで批判するかという書き込みがびっしり並んでいた。あの時はさすがに『沖縄って、嫌われているのかな』と思いました」(同)

 ネット上では嫌中や嫌韓になぞらえた、「嫌沖」というワードも散見される。「反日沖縄人」「振興費たくさんもらってるくせに」と、沖縄県民自体を非難するような投稿とともに、多くは、国と県の対立が鮮明になる中で書き込まれたものである。

 さらに、沖縄返還に際して設けられた酒税やガソリン税の優遇策を「沖縄特権」と批判する書き込みもある。在日コリアンを対象としたヘイトデモの根拠とされた「在日特権」を彷彿とさせる。

 にわかに高まる嫌沖の根底に、「ベースには沖縄県民に対する偏見がある」と話すのは、東京に10年在住した後、5年前に沖縄に帰郷したという男性(56歳)だ。

「内地では沖縄出身というだけで、『酒飲み』とか『時間を守らない』とか、ステレオタイプなイメージを持たれることは昔からあった。半分、外国人みたいに見られているのではないか」

 排他意識が、根拠のない非難や憎悪に結びつくのは、嫌韓・嫌中の例を見ても明らかである。 

 ちなみに与党が提出したヘイトスピーチ規制法案は、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」を対象としたものであり、沖縄県民に対する言動については想定されていない。

最終更新:2016/05/16 18:00

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