日刊サイゾー トップ > その他  > 『エイミー』プロデューサーが語る、亡きシンガーの本当の才能「ゴシップ的な扱いをするべきではなかった」

『エイミー』プロデューサーが語る、亡きシンガーの本当の才能「ゴシップ的な扱いをするべきではなかった」

「唯一気に入らないと言っているのがエイミーの父親」

20160223-AMY-sub3.jpg

ーートニー・ベネットやマーク・ロンソンにも取材を行ったそうですが、彼らはエイミーについてどんなことを語っていましたか?

ジェームズ:トニー・ベネットは、エイミーが良い結末を迎える子ではないことを直感的にわかっていたようだ。長い芸歴を持ち、彼自身も多くの問題を抱えてきたからこそ、わかったのだろうけど、非常に興味深かったよ。こんなに才能を持っていながら、それをどう使っていいかわからず、上手く捌けていない印象を持っていたそうだ。一方、マーク・ロンソンは、いかに彼女が魅力的だったかということを雄弁に語ってくれたよ。今はポップソングを一曲作るのに、20人くらいのスタッフで作るらしいが、彼女の場合はふっとスタジオに現れて、三回歌って、その三回すべてが完璧な歌だったそうだ。あそこまで高い表現力を備えていて、自己表現ができる人はなかなかいない、とね。工場のように曲やアーティストを製造している状況の中で、彼女は珍しい存在だったと語っていたよ。

ーードキュメンタリー作品は、実際に起きた事件や存在した人物を扱う分、観た人の賛否が分かれると思います。実際、本作に関しても、エイミーの父であるミッチ・ワインハウスが否定的な意見を述べていますが、そのようなネガティブな意見はどう受け止めていますか?

ジェームズ:意外なことにブレイクは好意的に受け止めてくれているんだけど、唯一気に入らないと言っているのがミッチなんだ。彼としては、もっと違う映画を作って欲しかったのだろうと思うし、父親の視点から彼女を見てきたからこそ違和感を覚えたんだと思う。だからと言って、私たちは彼女を父親の目線で見ることはできないし、ここに描かれているのは彼女の人生の一部であることは間違いない。彼が良い父親であったか、悪い父親であったかは置いておいて、我々は誠実な映画を作ったと思っているよ。もちろん、彼のこともリスペクトしているしね。

(取材・文=泉夏音)

■公開情報
『AMY エイミー』
公開中
監督:アシフ・カパディア
製作:ジェームズ・ゲイ=リース
出演:エイミー・ワインハウス、ミチェル・ワインハウス、マーク・ロンソン、サラーム・レミ、トニー・ベネットほか
翻訳:石田泰子
字幕監修:ピーター・バラカン
配給:KADOKAWA
2015年/イギリス・アメリカ/英語/カラー&モノクロ/ヴィスタサイズ/デジタル5.1ch/128分
(c)2015 Universal Music Operations Limited.
公式サイト:http://amy-movie.jp/

最終更新:2016/07/18 07:00
12
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

山崎製パンで特大スキャンダル

今週の注目記事・1「『売上1兆円超』『山崎製パ...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真