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テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第133回

いよいよ一挙再放送! NHK『大アマゾン 最後の秘境』の「わからない」という恐怖

 それは、第2集「ガリンペイロ 黄金を求める男たち」と第4集の「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」。

「人間が一番恐ろしい」

 というのは、ノンフィクションに用いられる常套句のひとつだが、それを何よりも実感させてくれるドキュメントだったのだ。

 第2集の「ガリンペイロ 黄金を求める男たち」は、アマゾンに眠る金を掘り続ける男たち=「ガリンペイロ」の生活に密着した作品。過酷な労働環境の下、一攫千金の夢を見る男たちは、たいていがワケあり。無法者の集まりだ。

 当然のようにみんな銃を持ち、ケンカやトラブルは絶えない。それが殺し合いにまで発展することも少なくない。

「この場所を誰かに話したら、誰かが死ぬことになる」

 国分たち取材班が、ガリンペイロのボス(通称「黄金の悪魔」!)に取材許可をもらうための交渉中、ドスの利いた声で言われた言葉だ。ヤバいにおいが、プンプンしている。

 ガリンペイロには、2人の人間を殺した元殺人犯の男もいる。ある日突然、その男が取材班が寝泊まりしている小屋に木の棒を持ってやってきた。完全に目がすわっている。

「おい」

 男はスタッフに声をかけると、イッた目のまま言う。

「お前らも踊れ」

 そんな言葉とは裏腹に、緊迫感が漂っている。

「お前ら、人を殺したことがあるか?」

「ない」と答えると、「ねぇってよ」とバカにした様子で笑い、ひとしきり取材班をビビらせ、からかっていくのだ。

 とはいえ、少しでも機嫌を損ねたら何をされてもおかしくない怖さがビンビン伝わってくる。

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