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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『A LIFE』キムタク“意外すぎる成長”

14.2%スタートのTBS『A LIFE~愛しき人~』木村拓哉が見せた“意外すぎる成長”とは?

 さらに沖田が天才的技量を持った外科医であることも、大げさにならない程度に、かつスマートに描かれます。

 たとえば最初の手術で、院長の出血量は50ccでした。再手術では100cc。その記録を見た若手医師・井川(松山ケンイチ)に「1ケタ間違えてる」と言わせることで、まさしくその技術が「ケタ外れ」であることが語られました。

 また、手術のシーンで沖田が「ちょっと急ぎます」と言って器具を持ち替える動作があり、それを見た井川が「左手!?」と、思わず声を上げてしまうシーンもありました。きっと、普通の外科医は左手でその動きをできないし、しようともしないのでしょう。そういう説得力が、細かく細かく描かれていたということです。

 第1話は、病院の愛娘で副院長の妻・深冬に脳腫瘍が見つかったところで終わりました。

 夫の壮大は副院長であり、脳外科のエキスパートです。実は沖田とは幼なじみの関係であり、深冬は沖田の元カノ。さらに、沖田の渡米は、深冬と病院を手に入れようとした壮大の謀略によるものであることも明らかに。

 その壮大が、沖田に「おまえが切るしかない」と言って、妻の手術を依頼します。沖田は「脳は子どもしか切ったことがないし、日本の(脳外科医の)トップは壮大だろ」と固辞しますが、「家族のオペはできないだろ。おまえしかいないんだよ、切れるよな?」と……。

 第1話を見た限りでは、今クールの日曜劇場は、実に手堅く、高品質に仕上げてきたという印象です。比較的ぶっ飛んだキャラを演じることの多い印象の菜々緒や田中泯といった脇役陣も、ドラマが描こうとするリアリティの枠内にギリギリ収まっているし、何より竹内結子は、やっぱりすごく上手いと思う。

 と、ここまで書いてきて、やっぱり違和感は木村拓哉ということになってしまうんですよねえ。背が伸びたことは別にいいんですが、画面の雰囲気が硬質で、キャストが豪華で、演出も巧みで、木村拓哉の能面芝居だけが、ドラマが描こうとするリアリティの枠からはみ出しているように見えてしまう。これはもう、どうしようもないことなんですが。

 ともあれ、「絶対にコケられない」というTBSの気合はビシビシ感じましたし、単純にお話が面白いので楽しみに追いかけられると思います。主人公、できれば堤真一あたりで……と思ったけど、それだったらまんま映画『孤高のメス』(10)になっちゃいますね。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2017/03/23 16:22
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