日刊サイゾー トップ > 芸能 > ドラマ  > 『貴族探偵』“クリエイティブ”の高さ

過去最低7.0%の嵐・相葉雅紀『貴族探偵』それでも絶賛したい制作陣の“クリエイティブ”の高さ

過去最低7.0%の嵐・相葉雅紀『貴族探偵』それでも絶賛したい制作陣のクリエイティブの高さの画像1フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより

 骨太な推理劇とガッチャガチャのコメディ演出を同居させて、毎回“楽しい本格ミステリー”という新体験を与えてくれる今期の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)ですが、5日に放送された第8話の視聴率は7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と過去最低を記録。大手マスコミによれば、9.9%を取ったテレ東の『全仏オープンテニス 錦織圭×ベルダスコ』に食われた形だそうです。

 まあ、健全な結果だと思いますよ。錦織はもっと国民的スターとして扱われるべき偉大なプレーヤーだと思いますし、下位ランカー相手の4回戦でも、いい試合をすれば視聴者が付くというのは、スポーツ中継そのものの明るい未来を示す結果だと思います。実に健全です。

 それに比べて『貴族探偵』って、まったく健全じゃないもんね。人とか死ぬし。

 というか、このドラマ、中盤を過ぎて俄然、不穏な空気が漂ってきました(過去のレビューはこちらから)。不穏というか、薄気味悪いです。このドラマの作り手が何をどこまでコントロールしているのか、底が知れなくて気持ち悪い。

 正体不明の貴族探偵を演じる嵐・相葉雅紀の芝居も、ここまで抑えてきた分、どんな振る舞いを見せられても「何か含みがありそうだ」と思わされて、すんごく気持ち悪い。

 クール初の2話構成となった5・6話以降、物語は「貴族探偵とは何者か」という物語の縦軸を語り始めながら、少しずつ「貴族探偵対女探偵」という単話としてのフォーマットを崩し始めました。第7話では1年前の回想として「女探偵」を高徳愛香(武井咲)ではなく、その師匠である故・喜多見切子(井川遥)に差し替え、今回の第8話では女探偵を容疑者とすることで事件現場から追い出し、代わりに刑事の“ハナさん”こと鼻形雷雨(生瀬勝久)が貴族探偵と対峙することになりました。

 そして、冒頭から不穏です。

 1カット目の前に「今夜からでも間に合う、これまでの貴族探偵」を振り返るダイジェストが流れます。「これまでの」と言いつつ、振り返るのは前回の7話で語られた切子と鼻形、そして貴族探偵の秘書・鈴木(仲間由紀恵)の説明だけです。ここだけ把握しておけばいいよ、1~6話は忘れても別に大丈夫だよ、というドラマからのメッセージなわけで、やっぱり明らかに5・6話を挟んで「ここからが本番」なわけです。

「貴族探偵第8話、お楽しみください」

 そう語ってダイジェストを締めくくるのは、当初ただの便利ギアとして登場したSiri的なアプリ「Giri」。前回、このGiriは貴族探偵の指示によって秘書・鈴木がハッキングしたことが語られていますので、このダイジェストすら客観的なものではなく、疑ってかかるべき存在ということです。なんと挑発的な演出でしょう。

 そうして始まった今回の推理合戦は、第1話の構造を踏襲しています。先にハナさん(第1話では愛香)が誤った推理によって貴族探偵を犯人と断定し、後に貴族探偵がそれを覆すというものです。

 事件のトリックは、ほぼ原作通り。原作で女探偵が披露した推理を、代わりにハナさんがしゃべるだけです。

 だけです、っていうか、だけじゃないですよ。「だけ」なんて簡単なものじゃない。女探偵・愛香を現場から追い出すためには、この人物に殺人事件の動機と証拠を与えなければならない。そんなの、超難しいに決まってる。でも、ドラマ全体の縦軸から「愛香がかつてストーカーに悩まされていた」ことを引っ張ってきて動機を与え、「落ちていたプレートをなんとなく拾う」というなんでもない行動から指紋の証拠を作ることで、実にあっさりと成し遂げてしまったので、つい「だけです」と書いてしまっただけです。

 でも、これくらいの原作改変の手際のよさについては、もう驚きません。『貴族探偵』のスタッフは、これくらいやるでしょ、と思えてしまう。慣れというのは怖いもので、私たちがドラマに課すハードルは、回を重ねるごとにどんどん高くなっていきます。

12
こんな記事も読まれています

過去最低7.0%の嵐・相葉雅紀『貴族探偵』それでも絶賛したい制作陣の“クリエイティブ”の高さのページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

絶対的満足度の至宝店すべて見る

サイゾーレビューすべて見る

グッドワイフ

TBS/日曜21:00~

 常盤貴子、19年ぶりの日曜劇場主演!

3年A組 ―今から皆さんは、人質です―

日本テレビ/日曜22:30~

教師・菅田将暉が生徒を人質に学校に立てこもる!

トレース~科捜研の男~

フジテレビ/月曜21:00~

錦戸亮が“科捜研の男”に!

後妻業

フジテレビ/火曜21:00~

木村佳乃がコッテコテの関西弁で「悪女」に!

初めて恋をした日に読む話

TBS/火曜22:00~

“残念なアラサー女子”深キョンが3人の男から……!?

家売るオンナの逆襲

日本テレビ/水曜22:00~

第2期は、家売るオトコ・松田翔太が登場

さすらい温泉 遠藤憲一

テレビ東京/水曜01:35~

遠藤憲一、俳優を引退して温泉宿の仲居に!?

刑事ゼロ

テレビ朝日/木曜20:00~

記憶喪失の刑事・沢村一樹が事件解決のために奮闘!

ハケン占い師アタル

テレビ朝日/木曜21:00~

杉咲花が「新・働き方改革」の救世主に

スキャンダル専門弁護士 QUEEN

フジテレビ/木曜22:00~

竹内結子が6年ぶりの地上波連ドラ主演!

メゾン・ド・ポリス

TBS/金曜22:00~

新米刑事・高畑充希が5人のおじさんに振り回される

イノセンス 冤罪弁護士

日本テレビ/土曜22:00~

坂口健太郎が「冤罪弁護」に挑む!

イチオシ企画

【キング・オブ・アウトロー】瓜田純士、かく語りき

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士が森羅万象を斬る不定期連載
写真
特集

ピエール瀧、コカインで逮捕!

“名バイプレイヤー”の不祥事に業界激震! NHK大河、出演映画はどうなる!?
写真
人気連載

島田洋七「若手には負けませんよ」

 ビートたけしの盟友で、漫才師の島田洋七。吉...…
写真
ドラマレビュー

『QUEEN』6.0%憤死フィニッシュ

 なんだかホントにひどいドラマだったなぁと感じます。竹内結子主演の『スキャンダル専門...…
写真