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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 萌え系ポスターで怒る人は今年も不滅

「女性自衛官をバニーガール扱い」ポスター1枚で怒り心頭に発する人々は2018年も不滅か

防衛省・自衛隊 茨城地方協力本部ホームページより

 ホント、みんな萌え系ポスターが好きだな……という程度で、冷ややかな目で見ているのではないかな。

 もはや当たり前になってきた、行政や公共系の団体・組織による萌え系イラストのポスター。それらで用いられるイラストにさまざまな非難が浴びせられるのも、いあまやテンプレとなっている。非難とはいうが、個人的な感想に公共性を持たせる=みんなそう思ってるんだよ!! という類いの「意見」である。

 昨年末、そんな「意見」によって、新たに話題になったのが、自衛隊・茨城地方協力本部の自衛官募集ポスターだ。

 ここでは、近年毎年『I☆P’s』と名付けた3人娘のキャラクター。空の「ひばり」、海の「のばら」、陸の「小梅」を用いたポスターを制作し、話題となっている。

 そんなポスターに寄せられたのが「(キャラクターの)胸の大きさが強調されるのが変だ。自衛隊はオタクのみをターゲットにしてるのだろうか」というツイート。どうも人によっては胸を強調しているデザインに見えるようで「女性自衛官へのセクハラですよ」「まるで女性自衛官をバニーガール扱い」といった非難のツイートがなされたのである。

 ここまでなら、またいつもの「私の意見は、みんな同じ」系の萌え絵ヘイト。ところが、今回は自衛隊との組み合わせだったために、あらぬ方向へと一部の人の思考は拡大していった。

「日本では軍隊の暴力性はエロに組み込まれた」「アニオタ≒ネトウヨの図式は、なぜか一致する事が多い」「再び、慰安婦をやりだす懸念を感じずにはいられない」などなど……。

 これに関連する形で、戦史研究家でシミュレーションゲームデザイナーの山崎雅弘氏は「防衛省・自衛隊側がコンテンツの権利者に擦り寄って、兵器の情報提供などの協力と引き換えに<味方>に取り込もうとする動き」があることを冷静にツイートしている。でも、平時における自衛隊の宣伝戦略を指摘する、冷静なツイートに対する感想は「安倍政権の陰謀」を信じたい人たちのものばかり。

 安倍政権への是非は別として、ポスターひとつを通して、萌え絵に文句を言いたい人と、憲法9条を守りたい系の人が合体すると、とんでもないことになるなとしか思えない現象。きっと2018年も、またさまざまな事件が起こることだろうと考えている。

 ただ、ずっと疑問なのはTwitterだとよく見かける、こうした思考の人にリアルだと、ほぼ出会う機会がないこと。「萌えは女性差別」「自衛隊は人殺し」系の発言をする人は、普段はどこで何をして暮らしているのだろうか。それが、一番の謎だ。
(文=昼間たかし)

最終更新:2018/01/11 18:00
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