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水野美紀の背中に、事務所独立した満島ひかり・真木よう子が学べること

 今年は、芸能人の所属事務所からの「独立」が相次いでいる。小泉今日子(52)、真木よう子(35)、満島ひかり(32)が、それぞれ立て続けに独立を発表。ちなみに中谷美紀は2015年、水川あさみは2016年に独立して個人事務所を立ち上げている。

 小泉今日子に関しては、業界最大手といっても過言でない芸能事務所の功労者であり、独立しても後ろ盾がなくなったわけではない。一方、真木よう子と満島ひかりについては、「事務所のフォローがなくなって大丈夫なのか?」と心配する声も出ている。

 これはつまり、「スタッフなしで営業やスケジュールのマネジメントが可能なのか」という意味ではなく、「元所属事務所の圧力で、“干される”んじゃないか」という心配だ。独立を事務所への裏切り行為だとみなし、その後の芸能活動を妨害するという前時代的なことが、いまだにあり得る業界だということである。その例が、能年玲奈(のん)やSMAPだろう。

 女優の水野美紀(43)も、かつて独立により辛酸を舐めたと言われている。水野は、中学1年生だった1987年に芸能界デビュー。1992年に唐沢寿明と共演したコーセーのCMが話題となった。1994年、バーニングプロダクションに移籍してからはドラマや映画での活躍が目覚ましく、『踊る大捜査線』(フジテレビ系)などのヒット作にも恵まれてきたが、2005年の「独立」後、確かにパタッと露出が減った。

 1990年以降、水野がテレビドラマに出演していない年はなかった。ところが、2004年の『逃亡者 RUNAWAY』(TBS系)の出演を最後に水野のドラマ出演は途切れ、2年半ほどの空白ができる。映画も同様で、独立後の2005年・2006年と水野はドラマや映画に一切出演していない。ただし、舞台で役者として活動してはいた。2007年以降、演劇ユニットの結成、文筆業やデザイナー業にも進出するなど仕事の幅を広げている。幼少期から少林寺拳法に親しみ、アクション女優としての評価も高い。

 だが『踊る大捜査線』までの路線からは、大きく外れた。それが本人の意図するところだったか、妨害工作を受けたせいなのかは、結局のところわからない。転機となったのは2011年公開の主演映画『恋の罪』(園子音監督)だった。フルヌードでの“濡れ場”も演じたこの作品で、水野美紀のイメージは変わった。「きれいでカッコイイお姉さん」から、「おもしろくてきれいでカッコイイお姉さん」になったのだ。

 その当時のインタビューで水野は仕事について「すごく楽しくなってきました」と答えている。「文章を書いたり演劇をプロデュースしたり」といった仕事にも挑戦するようになり「作品をイチから作る面白さに目覚めた結果、役者として参加する感覚もまたちょっと変わってきました」「30代になって自分のことがわかってきたと同時に、視野がちょっと広がってくるので、全体のことを考えながら取り組めて、共同作業が楽しくなってきました」と、かなり仕事に夢中になっていることが窺える。

 しかしもうひとつの転機……というか、2013年に大手事務所と業務提携を結んだことが現在の活躍には強く影響していると見られる。以降は、『アイムホーム』(2015年、テレビ朝日系)での木村拓哉演じる主人公の前妻役、『逃げる女』(2016年、NHK系)での冤罪で服役していた主人公など、幅広い役柄を演じている。『奪い愛、冬』(2017年、テレビ朝日系)での狂妻役は圧巻だった。昨年7月に第一子を出産し、10月には『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)の第2話にゲスト出演、今年1月からは『FINAL CUT』(関西テレビ系)にレギュラー出演するなど仕事を再開している。

 芸能人の「独立」は必ずしも円満とはいかないようだが、しかし水野のように、一旦は「干された」とされても再び第一線で活躍している例もある。また、大前提として「干す/特定のタレントを起用しないよう圧力をかける」こと自体が間違っていることは言うまでもない。満島ひかりや真木よう子の所属していた芸能事務所は、それぞれ彼女たちの今後の芸能活動を応援するとコメントしており、まさか活動を妨害することなどないだろう。

 おりしも、前出のSMAPや能年玲奈をはじめ様々な独立や移籍に関する問題を受け、公正取引委員会が有識者会議を立ち上げて、タレントと事務所間の契約が独占禁止法に触れないか検証する流れになっている。2月には、業界団体「日本音楽事業者協会」が統一契約書のひな型の見直しを開始したという。所属事務所が認めなければ、タレントは移籍や独立ができないといった、一方的な契約が見直されていくことに期待したい。

 いずれにしろ芸能事務所所属というかたちをとらず、フリーランスとして自分で仕事を選び、スケジュールを組んで仕事をこなしていくスタンスは、高い自己管理能力を求められる(自営業全般にいえることだが)。大変だとは思うが、満島ひかりや真木よう子には、これからも魅力ある女優として活躍してもらいたい。

最終更新:2018/03/10 07:15
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