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嵐・二宮和也『ブラックペアン』第2話にして「映像化失敗」の匂いがプンプンしてきた……?

TBS系ドラマ『ブラックペアン』公式サイトより

 嵐・二宮和也が無慈悲な天才外科医を演じる日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)も第2話。祝日なので視聴率はまだ出てませんが、それなりに取るでしょう。今回もテンション高めで、“オペ室の小悪魔”こと渡海征司郎(二宮)も大活躍でした。

 そんなわけで、振り返ってまいりましょう

前回のレビューはこちらから

■やっぱりジャニタレだと、そうなっちゃうのかな

 話の大筋としては、前回とほとんど同じという感触です。東京の一流大学から送り込まれた高階講師(小泉孝太郎)の超カッコいい心臓人工弁マシーン「スナイプ」による手術が失敗し、高階はそれをリカバリーできず、渡海が天才的な手技で救ってみせる。で、最後に渡海が意味ありげに、ペアンが体内に残されたままのX線写真を眺めて、はい終了。劇伴をジャカジャカ鳴らして、アップショット多めで、竹内涼真がだいたい泣いてる。そんな感じで、まあ面白いっちゃ面白いんですが、ところどころ「ジャニーズドラマ」のよくないところが出てたなーという印象でした。

 ニノ演じる渡海のイメージが“ダークヒーロー”という肩書きに引っ張られすぎているように感じるんです。お話の中で対立構造を生むより、渡海が「圧倒的である」という主張に重きが置かれるあまり、ほかのキャラクターが割を食ってしまっている。

 特に変な感じになっちゃってるのが高階です。今回、いろいろあって辞めたくなっちゃった新人研修医の世良くん(竹内)に「俺は手術で5人殺した」「命に関わった者は命から逃げてはいけない」とかなんとか説教をするんですが、いやいや、あなた初回で出血にビビってペアンも握れないという失態を見せていたじゃないかと。

「5人殺した」のくだりは原作通りなんですが、ドラマでは初回から「渡海>高階」を強調するために高階を落としすぎたせいで、この人のやることなすこと全部、説得力がなくなっちゃってる。どれだけ「日本の医療の未来を」とか見栄を切っても、あのシーンを見せられた後では、そのご高説も空虚に響くばかりです。

 このお話の根底には「誰にもできない手術手技を極める」という渡海・佐伯教授(内野聖陽)側と、「誰でもできる手術法を広める」という高階側との対立があったはずなんですが、スナイプ手術は全然成功しないし、高階自身は「出血した患者に冷静に向き合う」という執刀医の基礎中の基礎(ですよね?)という心構えもないので、対立が成り立ってない。結果、渡海の考え方が「正しい」と見え、高階が「ほら吹き」になってる。「渡海の腕(失敗での死者ゼロ)」と「スナイプ(原作のスナイプAZ1988はリークゼロ)」の両方が完璧な手術法として「ゼロ同士」だからこそ成立するはずの、本来あるべき「正しい」と「正しい」の対立が描けてない。ニノを不必要に立てようとするから、こういうことになる。

 これ、前クールのキムタク『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系=最終話レビュー)のときもさんざん書いたんですが、シナリオの段階で、ジャニタレの主役を立てるために周囲を落とすという、手抜き丸出しの作劇が(それでも『BG』よりは圧倒的にマシだけど)ここでも行われているのです。

■「映像化失敗」と結論付けたくなるくらい……

 しかも、渡海は手術で人を助ける以外は、もう理解できない言動ばかり。世良くんは泣いてばかり。高階はあたふたするばかり。

 福澤組は、悪いヤツはより悪く、情けないヤツはより情けなく描くことでエモーションを生んでいると思うんですが、このやり方って、『下町ロケット』の阿部ちゃんとか『陸王』の役所広司みたいな、わかりやすく“正しい情熱家”がいないと視聴者置いてけぼりになっちゃうな、と感じたんです。

 そもそも『下町ロケット』や『陸王』は夢と矜持のお話なんですが、『ブラックペアン』は恩讐と誤解をベースにしたミステリーなので、いつものメソッドが通用してない、フィットしてない感じが、すごくします。要するに、映像化に失敗しているように感じる。ここまで、スカッとカッコいいヤツがひとりもいないんだもん。ダークヒーローって、ブライトなヒーローがいて初めて、そのダークっぷりが引き立つもののはずなんです。光なきところに影は生まれないのです。

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