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伏線多すぎなのに、結局何もわからない! パニックホラーの最高峰『ドラゴンヘッド』とは?

『ドラゴンヘッド(1)』(ヤンマガKCスペシャル)

 名作といわれるマンガの重要な要素、それは「伏線」ではないでしょうか。いかに作品中に多くの伏線をちりばめ、ラストまでに美しく回収するか、そして伏線が張られれば張られるほど作品は壮大になり、面白くなっていくともいえます。

 もちろん、伏線を張りまくり、大風呂敷を広げまくった挙げ句にまったく回収されないまま打ち切られてしまったマンガもあり、これは世間的にはガッカリ作品の評価を与えられてしまいます。

 ところで、世の中にはさんざん張りまくった伏線をほとんど回収することなく、むしろ「伏線? 張ってたっけ?」ぐらい開き直ったラストシーンを描いてるにもかかわらず、傑作と評される突然変異的作品も存在します。それが、今回ご紹介する『ドラゴンヘッド』です。

『ドラゴンヘッド』は望月峯太郎(現・望月ミネタロウ)先生による作品で、1994~99年の期間、「週刊ヤングマガジン」(講談社)誌上で連載されていました。

 修学旅行中に突如として大地震が発生、主人公の中学生、青木輝(テル)たちの乗っていた新幹線は大事故を起こし、崩落したトンネルの中に閉じ込められてしまいます。血みどろの惨劇となった新幹線の中の生き残りは、テル、アコ、ノブオの3人のみ。外界との連絡手段が完全に遮断されたトンネルという暗闇の中で、どうやって生き残るのか……。いわゆる、パニックマンガやサバイバルマンガに分類されるようなストーリーなのですが、かつてないインパクトのある描写がちりばめられており、さらに連載開始の翌年に阪神淡路大震災が発生したこともあり、パニックマンガの代表的な存在として語られるようになります。

 パニックマンガ・サバイバルマンガは実に多種多様ですが、地震や火山の噴火が原因の自然災害もの、放射能汚染や戦争が原因の人災もの、感染してゾンビになったりするアウトブレイクものなどがあります。では、『ドラゴンヘッド』はどれに属するのか? 地震や火山噴火のシーンが出てくるので自然災害もの……であるかのように語られがちですが、実は本当の原因がよくわからないのです。とにかく誰もハッキリしたことを教えてくれない。携帯電話もなく、ラジオもテレビも役に立たない。情報がなさすぎることによる「恐怖」が、本作品の特徴です。スマホ依存症の皆さんは、スマホをなくすと不安になりますよね? あれの1万倍ぐらい怖い状況だと思ってください(違うかも……)。


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