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岩田剛典『崖っぷちホテル!』コメディが“茶番”になる瞬間……前回までで終わっておけばよかったのに!?

■あー、ドラマの腰が折れた。物語の底が抜けた。

 これまで“いい話”を積み重ねてきていたので、たいへん好印象だった『崖っぷちホテル!』でしたが、今回は実のないエピソードだったと感じます。

 兄妹の持ち株比率の数字についても、唐突に現れた横山パパの「6%」をめぐるやり取りも、まったく必然性がありません。兄・誠一の登場から乗っ取り、宇海にしてやられるまでの展開も、佐藤隆太の突飛なキャラクターに頼るばかりで行動原理が見えないので、まったく共感できない。ただ場を荒らすために出てきた野蛮人でしかないし、“基本いい奴”しかいなかったのが特徴の同ドラマでは、完全に浮いてしまっている。

 そして今回、ドラマの腰が折れた、と感じたのが、誠一が提案した「お仕事シャッフル」に嬉々として乗っかった宇海&従業員の面々の姿です。

 結果的に、それぞれが仕事を教え合う、それぞれの仕事への理解が進む、それぞれの仕事への帰属意識が再確認されるなどの効果が生まれ、「厄介な奴による厄介な企画だったが、思わぬ副産物もあったね」みたいな感じで処理されていますが、これはダメでしょう。割烹でバイト歴があって、たまたま調理師免許を持っていたからって、厨房を清掃係に任せちゃダメでしょう。フレンチ食いに来た客に、したり顔で肉じゃが出しちゃダメでしょう。

 第1話からここまで、従業員全員に(視聴者にも)丁寧に敷衍してきた「ホテルにとって何より大切なのは、お客様の笑顔です」という哲学を、完全に破棄してるんです。「客の都合を考えて動け」と言い続けてきたドラマが、ここにきていきなり客の都合を無視して、「従業員の結束が固くなったからいいじゃん」と言ってしまった。

 この物語に通底していたのは「このホテルには伝統と格式がある」という前提条件でした。第1話より以前、従業員たちは、その伝統と格式にあぐらをかいてダメダメになったり、伝統と格式があったはずのホテルが変わってしまったからこそダメダメになったりしていたわけです。そういう連中が宇海によって意識を改革され、プロフェッショナルなホテルマンとして本来の「伝統と格式」を取り戻そうと立ち上がるにいたったのが、前回までだったのです。

 今回、その物語の、底が抜けてしまった。プロフェッショナルでない人間の料理を、客に食わせてしまった。ベッドメイクも、ベルボーイも、事務経理でさえも「がんばれば誰にでもできる程度の仕事」と作品の中で定義づけてしまった。これにより、ホテル・インヴルサも「がんばれば誰にでも再生できる程度のホテル」に成り下がるし、宇海の起こしてきた数々のミラクルも価値を失うことになります。脚本家は「たった数日だし、清掃係も料理上手だから、別にいいじゃん」とでも考えたんでしょうか。宇海も、そう考えたんでしょうか。だとしたら、今まで見てきたものは、なんだったというのか……。

 あー、もったいない。ここまでいい感じで上品なコメディを紡いできただけに、本当にもったいない。格式を失ったコメディを、人は「茶番」と呼ぶのです。

 来週はフロントマンの大田原さん(野性爆弾・くっきー)が客に一目ぼれして云々だそうですよ。第1話のネタ振りを回収した第6話までで終わっときゃよかったのに、とならないことを祈りたいです。ここまで見てきて、今さらガッカリしたくなーい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2018/06/03 12:00
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