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『シグナル』坂口健太郎の狂気vs渡部篤郎の悪どさが、最終回へ向けてドラマを盛り上げる!

 そのことを健人はまだはっきりつかんでいませんが、警視庁内部に陰謀がうごめいていることは気づき始めているため、兄も警視庁の誰かに殺されたのでは? と疑い始めます。

 ちょうどその時、大山と無線機がつながるのですが、大山は今まさに亮太から証拠品を受け取りに行こうとしている時。つまり、亮太が殺される直前なのです。「兄を助けてください!」と、健人が懇願したところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、金持ちの息子を守るため、貧しい家庭の息子を犠牲にするという展開は、少し単純すぎる気がしないではないのですが、善悪それぞれのサイドの役者たちの演技が熱を帯びてきたため、クライマックスへ向けて盛り上がってきた印象です。

 まず、主人公・健人を演じる坂口ですが、これは前回のレビューでも書いた通り、回を追うごとに着実に表現力がアップしています。

 特に、狂気をはらんだ演技が秀逸。今回、高校時代の回想シーンで、兄がレイプ犯だということを同級生に馬鹿にされ、殴り掛かるシーンがあったのですが、目を見開き暴れる姿には脅威を感じました。色白なために感情が爆発した時に顔が紅潮して、リアルさが増す。今後は、冷徹な殺人犯みたいな役も見てみたいです。

 その健人の、時空を超えた相方である大山は、いわゆる人情派の刑事。これまでの事件でも、前科者たちに肩入れする姿を見せていましたが、その人間味のある人柄を北村が熱演しています。今回は、自分の死を予知しつつも、捜査に命を燃やす悲壮感みたいなものも感じられ、さらにキャラ立ちした印象でした。

 一方、ダークサイドの中本は、大山が自身の裏工作に気づき始めたことを知り、「こちら側にくるチャンスをやろう」と勧誘するなど、もはや本性を隠さないようになってきましたが、これを演じる渡部が見るからに悪どい。昨年放送されたドラマ『警視庁いきもの係』(フジテレビ系)で、ダジャレ好きな警部補役を演じていた時とは大違い。名優の振れ幅の広さというものを感じさせてくれます。

 残念ながら視聴率は振るいませんが、役者たちの熱のこもった演技は見ごたえあり。最終回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

最終更新:2018/06/07 17:14
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