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「黒ひげ危機一発」の限界に”バネの神様”が挑む! バラエティ版『下町ロケット』がアツかった

■五反田発のピザをアツアツのまま静岡まで宅配

 宅配ピザはおいしい。でも、注文する際は宅配エリアに“限界”が設けられている。おいしく食べられる限界は約30分で、距離にすると3キロメートルだそう。さらに厳密に言うと、ピザがおいしく食べられるのは65℃まで。30分を越えると、その温度を下回ってしまう。だから、宅配エリアには限界が設けられているのだ。

 ピザの温かさをキープするには、ピザと一緒に入れる「蓄熱材」と「保温バッグ」が大事になってくる。特に重要なのは蓄熱材。これさえあれば、温度を数十分も保つことができるという。

 番組は、床暖房を製作する某社に特製の蓄熱材を発注する。床暖房の技術をピザの保温に応用してもらおうというのが企画の狙いだ。オーダーを受けた技術者を見ると、その表情は自信満々の様子。

「そんなに難しいことじゃないと思いますよ。できるのでは? と思っています」

 加えて、番組は保温バッグメーカーに特注品をオーダー。極寒の地で使われる超高価な毛布用素材を用い、“最強の保温バッグ”も完成した。

 そして迎えた、本番当日。五反田にあるピザ店から宅配バイクを出発させ、法定速度の時速30キロメートルでどこまで行けるか? という検証方法が今回は採用された。おいしさのボトムラインである65℃を下回れば、そこでゲームオーバーだ。

 できたてピザの温度を測ると、まさにアツアツ。温度計は95℃にまで達していた。この状態を踏まえ、宅配バイクはスタート!

 そして20分後、バイクは3キロメートル地点へと到着する。通常ならば、宅配ピザの限界といわれる距離である。でも、“最強の蓄熱材”と“最強の保温バッグ”がそろっている。きっと、まだアツアツに違いない。ウキウキの心境で温度計を確認すると、ピザは77℃にまで冷めていた……。開始わずか20分で22℃も低下!?

 あからさまに表情が曇る、床暖房会社の技術者たち。自身の技術力に誇りを持っているだけに、余計に困惑してしまう。

 一方、保温バッグメーカーの技術者は「バッグにばらつきはないからね」と、自社に責任はないことをアピールし、かたくなに保身している。社の技術力を懸けた今回の企画。だからこそ、こんな態度になっても無理はないだろう。

 でも、ここからが奇跡だった。40分を経過した6キロメートル地点でピザを確認すると、まだ77℃をキープしてる! 床暖房会社の技術者は、打って変わって満面の笑みだ。1時間10分経過の川崎市(10キロメートル地点)で確認すると74℃を指しており、2時間半を経過した戸塚(30キロメートル地点)でも74℃のまま。4時間が経過した平塚市(57キロメートル地点)でも、やっぱり74℃のままであった。温度が全然下がらない!

 そして、宅配バイクはついに箱根湯本へ到着! 確認すると、温度はさすがに68℃を指している。おいしさを保証できる65℃が、すぐそこまで来ているぞ……。しかも、宅配中に雨が降り始めるという迷惑なドラマが発生する始末。加えて、バイクは踏切につかまってしまった。天が我らに味方していない。

……と思いきや、外気の影響を受けにくい保温バッグのおかげで、ピザは68℃をキープ。こうして、バイクは箱根の峠をついに登り切った。東京発の宅配ピザが箱根の景色を望んでいる。いまだかつてない快挙である。

 結果、宅配バイクは静岡県富士市にまで到着。時間にして9時間30分、距離にして137キロメートルの地点でピザは64℃へ下がり、ゲームオーバー。でも、宅配ピザの“限界”を超えたと断言できる奮闘ぶりではないだろうか。

 そういえば一時期、テレビには「日本はスゴい」系の番組があふれていた。食傷気味の視聴者から「もう、いいよ」と不満の声が漏れることもしばしば。今回のこの番組も、もしかしたら「日本はスゴい」系にカテゴライズできるかもしれない。でも、スゴい場面ばかりじゃなく、失敗の場面を映し出しているのが良心的だった。加えて、切り口がバカバカしいのも良かった。特に、黒ひげ危機一発に対しムキになるバネ職人の姿はどうだ。

 “笑い”と“感動”、“ミクロ”と“マクロ”の掛け合わせが見事だったのだ。妙な形で成功している。

(文=寺西ジャジューカ)

最終更新:2018/06/26 18:27
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