日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 月9『絶対零度』の“あざとい”構成

フジテレビ月9『絶対零度』今週も2ケタキープ! 「面白い」と「数字を獲る」の違いが……

■いよいよプロット描写も捨てた

 今回の『絶対零度』は、物語のほとんどすべてがミハンチームのセリフで説明されました。「岡崎直樹が何か行動をする→ミハンチームが進行上必要な設定を説明する」「岡崎と接触している川上が何か行動をする→ミハンチームが説明する」という、極めてシンプルで省エネな構成です。これまで、このドラマは「プロットだけで作られている」とレビューしてきましたが、いよいよプロット上で人物に関係を持たせるシークエンスさえ最小限にして、情報はセリフで説明すればいい、という方向に舵を切ったようです。ミハンチームによる朗読劇を見ているみたいな感じでした。

 このドラマは、とにかく徹底的に“省略”を目指しているように見えます。お話を語る上で必要な情報さえも圧縮して、時には飛ばしてしまって、とにかく「圧が強い画面」を矢継ぎ早につないでいく。ちょっと目を離しても大丈夫だし、逆にずっと見ていても「あれ? 目を離したかな?」と思うくらい話が飛ぶこともしばしばです。

 こうした作り方は、「面白い話を作ろう」という方向じゃない部分で「数字を獲る」方法を必死で模索しているように見えて、現代的だなぁとも思うんですが、ドラマ自体に血が流れているような気がしないというか、扱っているテーマが「みんなに殺人衝動ってあるよね!」みたいな感情だけに、居心地がすごく悪いんですよねえ。仕置き人の正体を毎回毎回匂わせて引っ張るところも含めて、あざとさも居心地が悪い。好きな人は好きなんでしょうし、そこらへんは好みの問題ですけど。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2018/08/07 20:00
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