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エロスとタナトス渦巻く世界!! ついに始まる惨劇へのカウントダウン『この世界の片隅に』第5話

 昭和20年(1945)の正月を迎えました。すずたちが暮らす呉市やすずの実家のある広島市が空襲に遭うまで、あと数カ月です。まず最初の凶報は、陸軍に入隊していたすずの兄・要一が南方で戦死したという知らせです。遺骨も遺品もなく、白い木箱に石ころがひとつ入っているだけでした。すずの祖母イト(宮本信子)が説明を求めると、「部隊全員が玉砕したという結果しか分からないんだと思います」と周作は答えます。配給がどんどん減っていることで戦局がよくないことを感じていたすずですが、国内にいるすずには想像できないほど戦場は恐ろしい状況に陥っていたのです。それでも、すずの母キセノ(仙道敦子)は頑なに要一が戦死したことを認めようとしません。

 第5話の終わりは、久しぶりに現代篇となりました。すずが度々スケッチしていた広島県産業奨励館は原爆ドームとなっており、すずたちが生きた時代との時間の隔たりを感じさせます。そこへ佳代(榮倉奈々)の年上の親友が現われます。介護の仕事に疲れて、身も心もフリーズ状態にあった佳代を優しく励ましてくれた節子(香川京子)でした。節子の姓は北條で、呉市で空き家になっている北條家の持ち主だそうです。原作&劇場アニメ版のラストシーンに登場した戦災孤児の少女の73年後の姿なのでしょうか。すずは、そして北條家のみんなはその後どうなったのでしょう。ドラマ後半戦は、香川京子さんがキーパーソンとして大きな注目を集めることになります。

■場外戦が続くのは、話題作である証拠!?

 8月に入って、六神合体ゴッドマーズ、バビル2世といった横山光輝原作アニメのタイトルがネット上を賑わしていましたが、その発信源は『このせか』でした。原作者・こうの史代が実写版『このせか』のことを“『六神合体ゴッドマーズ』よりは原作に近いんじゃないかな!?”とファンサイトに書き込んだことがちょっとした物議を呼んだのです。

 1981年~82年に放映された『六神合体ゴッドマーズ』(日本テレビ系)は横山光輝原作のSF漫画『マーズ』をアニメ化したものですが、ほぼオリジナルといっていいロボットアニメとなっていました。あくまでもジョークとして発したコメントでしたが、「原作者が皮肉っている」とネット民が騒ぎ出したのです。でも、その後のこうの史代の消火活動がお見事でした。「みんな、六神合体ゴッドマーズに食いつきすぎ!!!」とツッコミ、さらに「ここまで騒ぐんなら、みんな原作買って読んでくれるんだろうね。来週日曜21:00から、ちゃんとドラマ見てくれるんだろうね!!??」と本音を吐きつつ、「見んかったら、ロプロスに食わすぞ!! ポセイドンに踏ますぞ!!! あっ、作品間違えた すみません」とギャグで締めくくってみせたのです。ロプロス、ポセイドンは同じく横山光輝原作の『バビル2世』に登場する人気キャラクターです。ギスギスしがちな場外戦をユーモアで包んでみせた原作者には、座布団を進呈したいところです。

 第5話の視聴率は、8.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)でした。前週の9.2%から落ち込み、7月15日のスタート以来のワーストを記録してしまいました。でも日曜の夜に戦争ものを連続ドラマでやることは当初から視聴率的には苦戦することが予想されていたので、まだ想定内でしょう。気になるのは、戦局がさらに悪化し、すずやその周囲の人々に次々と惨劇が降り掛かる次週以降です。夜10時からのオンエアとなる次回の予告では、すずが手を引く姪っこの晴美が大きくクローズアップされていました。呉も戦火に呑み込まれることになります。すずがこの世界の片隅で見つけた幸せな生活は、あっけなく崩壊するのでしょうか。視聴率もこのまま落ち込んでいくのでしょうか。地獄の入口を覗くことになるすずを、後半戦もしっかりと見守りたいと思います。
(文=長野辰次)

最終更新:2018/08/14 12:14
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