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根なし草ライター・安宿緑の「平壌でムーンウォーク」

日本人拘束事件から考察する、「笑ってはいけない北朝鮮」トラップ

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 中国の旅行会社を利用して訪朝し、西部・南浦(ナムポ)で拘束された日本人男性(39)が解放された。

「自称・映像クリエイター」と報道されたため、ネット上では「ユーチューバーなのではないか」という声が上がったが、実際に北朝鮮当局の、ユーチューバーへの理解度はどの程度なのか?

 朝鮮観光を提供する某旅行会社の社員は、次のように話す。

「ユーチューバーの場合、訪朝申請書類の職業欄には『自営業者』などと記入します。正確に書くと説明が面倒なので、それで統一しています。向こうは、趣味で動画を撮っているだけの個人という扱いで、報道関係者とはみなしていません。それが自国の宣伝になればいい、という考えなんです」

 今回の拘束が、ほかの日本人訪朝者に影響を与えるのだろうか?

「男性が拘束された翌日、現地に問い合わせましたが、『まったく問題なし』との回答でした」

 実際、現地での報道許可をもらうためには特殊な手続きが必要で、しかも、ケースバイケース。旅行会社単独で取り扱うことは事実上できない。2カ月に一度、訪朝する朝鮮総連関係者も、このように語る。

「朝鮮観光では必ず案内員が同行しますが、そもそも観光客と報道関係者では連れて行く場所が異なるので、特に問題視はされていません。現時点で、ユーチューバーの扱いが厳しくなるということも考えにくいでしょう。北では映像で広告収入を得るという概念がなく、存在を関知していないというのもありますが」

 日本では何かとトラブルメーカーになることも多いユーチューバーだが、北朝鮮では「寛大に許す」とされているというわけだ。とはいえ、ユーチューバーでなくても、現地のルールを逸脱すれば逮捕・拘束につながる。

  朝鮮観光は、海外に出たことがない朝鮮人民が、他国の人々から、良くも悪くも一方的に見世物にされるといった、人民にとってはある意味でアンフェアな構図が前提にある。海外旅行に行く人すべてが、異文化をリスペクトしているとは限らないため、朝鮮でもし自由行動ができた場合、現地をバカにしまくる観光客が出ることは明白である。


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