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『ドロ刑』で刑事が仕事中に飲酒と賭博!? コメディに振り切った設定で自滅の可能性も……

 2度の失敗に加え、県警より先に大堂の身柄を確保するためには現行犯逮捕するしかなく、その困難さを憂いて班目はまたしても落胆してしまいます。これを見た煙鴉は、泥棒の気持ちになって捜査するよう班目を諭し、大堂が犯行を狙っていると思われる地域に出向いて泥棒の手口を教授します。

 その結果、ある家の塀に並べられたプランターが一カ所だけないことに気づいた班目は、忍び込みやすいように大堂が事前に排除したのだと推理。その家の許可を取って、部屋の中で待ち伏せします。そして、その予感は見事的中。勝手田の協力も得て、大堂を逮捕したところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、前回、班目が守秘義務などまるで無視して捜査三課の内部情報を煙鴉に教えたり、取調室の隣の部屋で鯨岡がポップコーンを食べたりと、現実にはあり得ない描写があったことから、このドラマはエンタメ重視、リアリティー無視でいくのだというスタンスが明らかになりました。

 そして今回、“オールスター”の13係が揃ったことで、その傾向がさらに顕著に。署内で飲酒する元スリ専門の刑事・左門陽作(板尾創路)や、無類のギャンブル好きで変装の達人・宝塚瑤子(江口のりこ)、緊張すると深夜の張り込み現場だろうとお構いなくオカリナを吹いてしまう刑事経験ゼロの小平美希(石橋杏奈)など、思いっきりコメディ路線にシフトしてきました。

 その割に大きな笑いもなく、それでいてそこそこ飽きずに見ていられるのは、脇役やゲストに実力派が揃っているからでしょう。中島がたまに見せるキメ顔やチャラチャラ演技には正直イラっとさせられる部分がありますが、他の役者によって上手く中和されています。

 稲森が演じる鯨岡のおとぼけ感や、捜査一課出身の元エリートでプライドが高いながらも職務中にエロ画像を収集してしまう皇子山隆俊(中村倫也)のキャラクターも、コメディとして見る限りではいいアクセントになっているのではないでしょうか。に軽快なBGMやテンポのよい展開も視聴者を飽きさせない工夫が凝らされています。

 ただ、次回のゲスト出演者は若手俳優の寛一郎ということで、初回の高橋克実、今回の笹野とベテラン続きだった流れが変わり、これがどう影響するか。ドラマのバランスが崩れ、コメディ路線へシフトしたもののまったく笑いがとれず、地獄絵図と化して自滅という結果にもなりかねません。

 あるいは、寛一郎が父・佐藤浩市ばりの演技力を見せ、これまでとは違うスパイスを加えることになるか。中島とは共演経験があり、プライベートでも親交があるとのことなので、上手く化学変化が起きればドラマの転換点となる回になるかもしれません。次回放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

最終更新:2018/10/27 14:00
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