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今夜最終回!『僕らは奇跡でできている』要潤“ブチ切れ”の先に見えた、主人公に偏らない物語の“公平性”

■簡単に「好き」はとは言わない“らしさ”

「水本先生と一緒にいると感動や発見があります。でも、嫌な気持ちになったときもありました。いろんな気持ちになります」

 と、フィールドワークと同じように、「おもしろい」と水本先生への気持ちを表現した相河。2人がそう簡単にくっつかないことは、視聴者のほとんどが予想していたはずですが、次回予告で2人のラブ展開をさんざん煽っていただけに、「好きじゃないんかーい!」「それ面白いちゃう、恋や!」とツッコミの声が。

 ただ、青山には「興味ありません」とバッサリ言い切っているところを見ると、きっと水本先生には興味があるからこそ「おもしろい」と言ったんだろうし、目に見えない人の気持ちに言葉をつけた人は偉いと言っていた相河だけに、彼なりの愛情表現が「おもしろい」だっただけなんだと思います。この、簡単に「好き」とか言わないところが相河らしさであり、この作品らしい部分でもあるなあとほっこりしました。

 まあ、相河だから成り立つわけで、「おもしろい」とうれしそうに言われて颯爽と立ち去られたら、水本先生のように、ポカーンとなるのが普通のリアクションだとは思いますが……。それにしても、相河を意識しまくってどぎまぎする榮倉奈々ちゃん、とってもかわいかったです。

 

■“総まとめ”的な要潤の大爆発

 さて、そこで終わるのかと思いきや、今話にはラストにとんだ爆弾が仕込まれていました。最初は悪者キャラかと思われていたものの、このごろはなんだかんだ言いつつ相河のフォローをしてくれていた樫野木先生のブチ切れ事件です。

 このドラマではこれまで、周りの子どもたちとはちょっと違う息子・虹一くん(川口和空)を受け止めることができなかった母・涼子(松本若菜)だったり、一度は息子(相河)を捨て、11年後に家政婦として戻ってきた山田さんだったり、“完璧ではない”人たちを否定することなく、相河が疑問を投げかけることでその人にとって大切なことは何なのかを気づかせてきました。

 それがあったからこそ、樫野木先生が相河に放った言葉がより冷酷で残酷なものに聞こえてきたわけです。

 また、家族のためにフィールドワークをやめた樫野木先生は、両親のためにこんにゃく農家を継ごうか迷っている男子学生・新庄(西畑大吾/関西ジャニーズJr.)や、親から受け継いだクリニックを守ろうと必死になっている水本先生でもあるわけで、言わば、これまでのまとめ的存在。

 それに、樫野木先生が家族のために自分の夢を犠牲にしたように、何かを犠牲にしなくてはならず、相河のように生きたくても生きられない人が世の中のほとんどでしょう。

 そんな人からすれば、絶対的理解者であるおじいちゃん(田中泯)や鮫島教授(小林薫)に守られながら、好きなことをして楽しそうな姿はうらやましく見えて当然(もちろん、相河も幼い頃に自分と向き合い、苦しさを乗り越えてきたからこそ今があるわけで、決して楽をしてきたわけではありませんが……)。

 確かに、八つ当たり的に相河に暴言を浴びせたことは間違っていましたが、ネット上の視聴者たちの反応を見ると、「気持ちわかるんだよなぁ。やりたいことだけやって好きに楽しく生きている人は眩しく見える」「八つ当たりからの発言だったかもだけど、一理あるよねぇ……」「自己犠牲して頑張っている自分が、何故こんな目にって思っちゃうよね」と、意外にも樫野木先生に理解を示す声が多数見受けられました。

 そこからもわかるように、このドラマは、さまざまな問題を、主人公視点とその周りからの視点で丁寧に描くことで、どちらか一方に偏らず公平に、多くの人の心に届けようとしている制作陣の思いが、今回の9話から感じられました。

 ラストで鮫島教授が、相河に暴言を浴びせた樫野木先生を諭すような口調で叱っていましたが、ここまで誰かを否定してこなかったこのドラマ、ラスト1話で樫野木先生にどうやって大切なことを気づかせるのでしょうか。

 

■残る伏線は……

 そんな今話のタイトルは、「楽しかった日々の終わり」。次回予告で相河は大学を辞めると宣言していただけに、相河にとって楽しかった大学での日々は、これで終わってしまうのでしょうか……。

 また、8話のラストに挿し込まれた水泳シーンは、てっきり一生ファンへのサービスかと思っていたのですが、水泳を習いだしたのは何か理由があるようだし、急にロシア語の勉強を始めたのも謎です。実はコンチューバーだった沼袋先生(児嶋一哉)と、それを知ってしまった新庄くんにも注目しつつ、今夜の最終回を見届けたいと思います。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

最終更新:2018/12/11 20:00
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