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本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

フジ『SUITS/スーツ』続編制作は? 映画化は? 織田裕二は“ノリノリ”も、莫大なリメイク金がネックに

『SUITS/スーツ – フジテレビ』より

 昨年、織田裕二主演で放送された月9ドラマ『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)。早くも続編や映画化を期待する声も聞こえてくるが、莫大な“放映権料”がネックになって、企画が暗礁に乗り上げているという。

『SUITS/スーツ』は、全米で大ヒットを記録したドラマのリメイクもので、「月9」枠としては10年ぶりに織田裕二が主演を務めたほか、鈴木保奈美との、『東京ラブストーリー』(同)以来27年ぶりの共演で話題を集めたばかり。ただ、初回視聴率こそ14.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ/以下同)だったものの、その後は右肩下がりで10%を割ることもしばしばだった。

 それでも最終回の平均視聴率は10.8%、平均視聴率も昨年の月9ドラマでは最高となる10.8%で、なんとかメンツは保った格好だが、これに気をよくしたのが、スペシャルゲストとして出演した歌舞伎役者・市川海老蔵だという。

「最終回の視聴率を聞いて、がぜんやる気になったようで、ドラマで親しくなった織田に『続編、絶対やりましょう』と訴え、制作サイドにも、続編はレギュラー出演を条件に売り込んだそうです」(制作関係者)

 海老蔵の熱い訴えに、織田もやる気を見せたというが、肝心のフジテレビが難色を示しているという。

 というのも、フジテレビは、このドラマのためにアメリカの製作元であるUSネットワークに、1話につき100万円ともいわれる高額のリメイク金に加え、制作協力費として1,000万円とも2,000万円ともいわれる金額を支払っているというのだ。

「しかも、続編制作のリメイク金については別途協議が必要なんだそうです。ドラマの制作費と合わせたら、視聴率10.8%では採算が取れないでしょう」(同)

 同じ弁護士ドラマでは、米倉涼子主演の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)が同時期に放送されたが、こちらは全9話平均視聴率15.6%で、秋クールのトップ。視聴率だけでなく満足度でも、視聴者からの声が好評だった『リーガルV』に対して、『SUITS/スーツ』には、設定や脚本上にも無理が多く、視聴率が急降下したのはそのあたりが原因だといわれている。

 それでも、普段は続編に慎重な織田が前向きな姿勢を見せたというから意外な気もするが、『東京ラブストーリー』では「月曜の夜は街からOLが消える」とまで言われ、平均視聴率22.9%、最終回は32.9%の記録を作った男。やはり汚名返上を期す狙いがあるのか?

 織田の真意も、フジテレビがどんな決断を下すかもまだわからないが、ただ、個人的には、莫大なリメイク金を払ってまで海外のヒットドラマに頼らず、同じ月9枠で昨年4月期に放送された『コンフィデンスマンJP』(長澤まさみ主演)のような、オリジナルドラマの制作にこそ、フジは積極的に乗り出すべきだと思うのだが。
(文=本多圭)

 

最終更新:2019/01/16 12:00
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