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錦戸亮主演月9『トレース』視聴率12.3%の好スタート! “科捜研の男”はまさかの胸キュンドラマ!?

『トレース~科捜研の男~』公式ホームページより

 2019年1発目の月9ドラマ、『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)が1月7日に放映スタート。前クール『SUITS』(同)の初回14.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)には及ばないものの、2桁視聴率の好発進だった。

 本題に入る前に、本作の内容を紹介。

 科捜研の法医研究員・真野礼二(錦戸亮)と沢口ノンナ(新木優子)のコンビが、捜査一課の虎丸良平(船越英一郎)らの反発の中、指示されていない捜査や鑑定で、事件の真相へとたどり着く1話完結型の物語。

 本記事ではトレースの見どころを登場人物や制作陣にスポットを当て、紹介したい。

 キーワードは“胸キュン”と“程よい距離感”。1シーン目から切断された左手がゴロッと転がる事件モノなのになぜ胸キュン?……。その理由は、次章より第1話の内容に触れながら、解説していく。

■シリアスなストーリーに散りばめられたキャラ萌え要素

 切断された左手を元に、礼二とノンナがバラバラ遺体を山中で発見。それを機に、被害者女性の家庭内暴力を受けた過去、そして被害者女性が誰を守ろうとし、誰に殺されたのかまでを科学鑑定を元に解き明かす1話だった。

 ルールに抗い刑事の指示なく真相の解明をする科捜研の男。指示を聞かない男を怒鳴り圧力をかけるベテラン刑事。2人の板挟みで振り回される新米研究員のヒロイン……と、事件モノではベタな構図と言える。しかしその分、1シーン1シーンに無駄が少なく、難しい専門知識は分かりやすく説明され、ハイスピードな展開ながらついていくことができる洗練された1作であった。

 引き込まれる要因は、前述した3人の男女それぞれの魅力だろう。

 まずは主人公・礼二。「他の人と視点が違う」というのが彼の魅力なのだが、捜査や鑑定以外の場面でも、視点の違いは生かされていた。バラバラ遺体を発見して食欲を無くした新人・ノンナに対し、「彼女(被害者)は君に見つけてもらって感謝してると思う」と励ます。ただのバラバラ遺体が、殺されるまで普通に生活していた一人の女性だったとノンナだけでなく視聴者の認識まで変えてしまう名シーンだった。

 ノンナ自身も守られるばかりの受け身な女性のままでなく、事件の鍵を握る関係者に感情でぶつかり解決の糸口を掴む活躍を見せた。

 また、礼二を怒鳴ったり担当から外したりする虎丸刑事のキャラは特に秀逸。傍若無人なパワハラ刑事に見せながら、裏では上司からは嫌味を言われ、家に帰りを待つ家族は無く、人生を刑事の仕事に捧げてきたという不器用な男だ。ラストは報われない被害者女性を哀れみポロっと涙を見せてしまう人情家ぶりまで垣間見える。

 淡々と3人の人物像を書き連ねたが、正直思う。何たるや胸キュン要素のつまった人たちだろうか……!!

 錦戸扮する礼二の最大の武器は天才的な頭脳でなく、同僚や被害者にふと垣間見せる優しさ。新木優子も媚びる女でなく仕事に正面から立ち向かう強い女子。船越英一郎は中年の悲哀と孤独を背負った涙もろいオッサン(しかもツンデレで負けず嫌い)。

 濃い面々とはいえ、キャラを強調するための無駄なお笑いシーンやお涙頂戴シーンをわざわざ作らず、ストーリーを捜査や鑑定から脱線させずにキャラの魅力を出せていた。

 役者陣の力量もさることながら、演出家や脚本家の手腕も素晴らしい。

 次章では本作の演出家と脚本家について迫りたい。

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