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『快傑えみちゃんねる』関東進出は“瀕死”のフジテレビを救う? 「弱気な試み」の成否は……

関西テレビ放送『快傑えみちゃんねる』公式サイトより

 フジテレビが2月初めより、夕方15時50分からの「メディアミックスα」で、関西の人気番組『快傑えみちゃんねる』の放送を始め、25日には同じく関西ローカルの『やすとも・友近のキメツケ!※あくまで個人の感想です』の放送も決定。突然の関西シフトが話題になっている。東京に住んでいると、面白い番組は東京発のものばかりだと思いがちだが、それは大きな誤りだ。テレビ情報誌の記者が語る。

「『快傑えみちゃんねる』は、司会の上沼恵美子と、ひな壇に座った複数のゲストがトークを繰り広げるバラエティ番組です。番組は放送開始から20年以上経過していますが、関西ではずっとゴールデンタイムに放送されており、毎回2ケタの視聴率を取る超人気番組です」

 上沼といえば、『M-1グランプリ』の審査員として知られる“関西の女帝”。関東でもおなじみの顔だが、なぜ突然関東でも放送されることになったのか?

「フジのこの時間帯は、もともとニュース番組が放送されていましたが、視聴率不振が甚だしくて15~16時台の放送が打ち切られ、その後はドラマの再放送が中心でした。しかしフジとしては、ドラマの再放送ではテレ朝の『相棒』に歯が立たないので、新たな視聴者の掘り起こしを狙って、関西の人気番組を持ってきたのでしょう。これが好評なら、関西ローカルで活躍するタレントを関東で使うという手もありますし」

 下手な挑戦をするぐらいなら、実績があるもので勝負するのはよくある話。しかしテレビ界の歴史をひもとくと、フジの試みが成功する確率は低そうだという。キー局の関係者が語る。

「関西の人気番組を東京に持ってこようというプランは定期的に持ち上がりますが、うまくいったためしがありません。その代表が『探偵ナイトスクープ』(朝日放送)です。放送がすでに30年を超える『ナイトスクープ』は、23時台という放送時間にもかかわらず、毎回15%前後の視聴率を取るオバケ番組ですが、関東ではいろいろと時間帯を変えて放送してみたものの、視聴率は関西の半分もいきません。明石家さんまの『さんまのまんま』(関西テレビ)も、関西ではゴールデンでしたが、関東では深夜や日曜の昼間に放送され、扱いは決して良くありませんでした」

 しかも関西ローカルの番組が関東で放送されるのは、タレントにとっても喜ばしいことではないという。芸能事務所関係者が語る。

「関西ローカルのトーク番組に出る多くのタレントは、“少々話を盛ろうが、面白ければOK”というノリで番組に臨みます。関西は“笑わせてナンボ”の世界ですから。しかし、それが関東でも放送されるとなると、軽い気持ちで話したトークの内容が問題視されたり、場合によっては炎上する可能性もあります。正直、フジの試みをありがた迷惑に感じる人もいると思います」

 4月からは夕方のニュースに加藤綾子を投入し、局面の打開をもくろむフジテレビ。その“前座”がコテコテの関西テイストというのも、何か違う気がするのだが……。

最終更新:2019/02/22 08:00
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