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熱血!”文化系”スポーツ部

「平成スポーツ振り返り企画」アスリートひな壇芸人化に一石を投じた、NHK BSの骨太企画

NHK BS『もう一度見たい!平成のスポーツ中継』

 平成も、いよいよ大詰め。昨年末から各局・各番組で怒涛のように続く「平成スポーツ振り返り企画」も最終局面を迎えた印象がある。

 20日深夜の『S☆1』(TBS系)では、「野村克也が選ぶ“平成の最強ベストナイン”」を放送。先発投手部門で選ばれたダルビッシュ有が「朝起きて見て本当に涙出ましたよ^^; 野村監督ありがとうございます! 自信にします!」とTwitterで反応し、そこに田中将大が「羨ましい……」と反応するや、今度はダルが「これは人間からの選定やから。神の子は対象外」と、かつて野村監督が発した平成名言「マー君、神の子、不思議な子」を連想させる返信をするなど、その後も仲むつまじいツイートの応酬が続いて野球ファンを楽しませている。

 こういったレギュラー番組におけるミニ企画が盛況な一方で、フジテレビは3月27日に『フジテレビ開局60周年記念企画 コレ知らんかった~! 新発見!村上信五の平成スポーツ命場面SP』を放送。TBSでは4月7日に「平成スポーツ総まとめ4時間半合体SP」と題して、バナナマンMCによる『消えた天才超特大SP』、サンドウィッチマンMCによる『平成あったなぁ大賞』を一挙放送と、スポーツ特番もめじろ押しだった。

 ただ、こうした特番における、アスリート(元選手含む)をひな壇芸人のように並べて展開するスタイルは、何かスポーツの本質からズレているように感じてしまう。そんな中、これぞスポーツの醍醐味! とうならされたのが、NHK BS1で放送が続く『もう一度見たい!平成のスポーツ中継』だ。

 4月14日放送の第1回では「夏のオリンピック」。21日放送の第2回では「冬のオリンピック」と題して、平成スポーツ名場面の数々を当時の中継映像で振り返る、超骨太な企画を展開している。

 タレントは一切起用せず、中継映像以外で登場するのは司会役のスポーツアナとレジェンドアスリートだけ。このスポーツアナのキャスティングが絶妙なのだ。平成16(2004)年アテネ五輪の体操男子団体の中継を取り上げた「夏のオリンピック」では、「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ」という、平成で最も有名な実況中継を生み出した刈屋富士雄アナ(現在は解説委員)を起用。

 続く「冬のオリンピック」回では、平成10(1998)年長野五輪スキージャンプ団体における原田雅彦の大飛行に「立て、立て、立ってくれぇ」と叫んだ工藤三郎アナが司会を務め、ゲストにその原田雅彦本人が登場。「実況で私、『立て、立て、立ってくれぇ』と言いましたけど、合ってました?」「(リレハンメル五輪での失敗ジャンプのエピソードを交えつつ)『因縁の2回目』という言葉を使いました」といった具合に、名場面を生み出したアスリートと実況アナによる、「あの場面、実際どうだった?」という答え合わせが実現。実況アナファン(は少数だろうが)垂涎の瞬間であり、スポーツファンのツボを的確に捉えるやりとりが交わされていた。

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