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『きのう何食べた?』上がりまくったハードルを一瞬で飛び越える、磯村勇斗の逸材っぷり!

原作以上に原作っぽいジルベール、磯村勇斗

 なんといっても今回は、待望のジルベール初登場である。原作でも人気の高いキャラクターだけに、ハードルは上がりまくっていた。

 ジルベールを演じる役者は磯村勇斗と、すでに発表済みだ。不安材料はあった。シロさんは彼を見たとき「どこがジルベールじゃ!」と内心でツッコむのだ。本当に美少年だとまずい。となると、磯村はルックスが良すぎる。そういう意味での不安である。

 いや、恐れ入った。磯村自身はイケメンのはずなのに、イケメンと呼ぶには少々惜しいジルベールの雰囲気を彼は仕上げてきていたのだ。ジルベールが、ちゃんとジルベールだった。トロンとした目つき。小汚いけど、なんかかわいい。ゆるさがあって小悪魔感がある。まさに、マンガから飛び出てきたかのような感覚。ジルベールの出番はほんの数分だったが、あの数分だけで絶大なインパクトを残し、事前に上がっていたハードルをはるかに上回る印象を残して見せた。

 磯村といえば、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)の相良猛役が記憶に新しい。筆者は同作のレビュー記事で『今日俺』のMVPとして磯村を挙げたが(参照記事)、あのときの彼の作り込み(狂気の再現など)もすごかった。さらに、今回も原作以上に原作っぽいジルベールとして登場。磯村もすごいし、彼を起用したドラマ制作陣の目利きもすごい。素直に驚いた。

 また、磯村に呼応する山本耕史もいい。シロさんと会話するときのダンディさはどこへやら、ジルベールが来た途端にクネクネし始める。渋声から甘声への異常な高低差。原作版小日向とドラマ版小日向には若干の違いがあるが、山本は役を完全に自分のものにしている。

 実は、ジルベールと会話した際、山本は一瞬セリフをかんでいる。そのかみを、磯村は「かわいい」とアドリブでツッコむことでフォローし、OKテイクにさせた。これぞ、まさに丁々発止。

 第7話では、シロさん、小日向さん、ジルベールにケンジを加えた4人が一堂に会して食事するようだ。つまり、西島、内野、山本、磯村という実力派の役者4人が集結する見せ場でもある。この面子による演技合戦が今から楽しみで仕方ない。というか、この面子なのに公安ドラマでも時代劇でもなく、ラブラブなカップル2組による会合が描かれるという事実がすごい。

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