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令和の始まりを告げる「即位礼正殿の儀」小田部雄次・静岡福祉大名誉教授が語る、ふたつの心残りとは?

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 今年限りの休日となった10月22日。令和の天皇陛下の即位の儀式となる、「即位礼正殿の儀」が、皇居「松の間」で行なわれた。

 安倍首相の「天皇陛下万歳」の掛け声とともに鳴り響いた、陸上自衛隊の礼砲。そして、天皇陛下がお言葉を述べられたのだが、今回の即位の儀式は、令和の新しい時代にふさわしいものだったのだろうか? 日本近現代史が専門で、皇室報道でも知られる、小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授に、見解を語ってもらった。

時代と逆行していた『即位礼正殿の儀』の中身

「今回の『即位礼正殿の儀』を、儀式全体として見た時に、ふたつの残念な点がありました。ひとつは、今回は現憲法の象徴天皇制での2回目の即位の儀式でありながら、前回の平成の即位の儀式をほぼ踏襲しており、前回よりもさらに新しい時代に合わせたものにしようという意識がほとんど感じられなかった点です。

 むしろ、前回は梅の間の廊下に陛下が赴き、それを参列者が遠くから見られる場面があったのですが、それがなくなっただけ、逆行しているとも言えます。『平安絵巻のよう』『伝統にのっとり』などとマスコミは賞賛していますが、そもそも、ずっと即位の儀式は京都で行なっていたのを、前回の平成の即位の儀式から東京に変えたのですから、その時点で伝統は守られていないわけです。

 明治時代に作られた即位のための決まりである『登極令』をいまだに使っていますし、宮内庁職員が武官の装束姿で弓や太刀を持つ『威儀物』などもそのままですが、もう少し儀式の内容も、軍国主義ではない新しい時代に合わせて変えることを、平成の30年の間に検討してもよかったのではないでしょうか」

 確かに、「天皇陛下万歳」の三唱や、礼砲といった儀式を今行なうべきなのか、もう少し議論されてもよかったかもしれない。

「もう一点は、台風15号、19号で大きな被害が出ているなか、パレードは11月10日に延期したとはいえ、予定通り儀式を行なったことですね。マスコミ報道は、即位の儀式について、祝賀一色となっていますが、被災して家にも帰れない方々からすれば、到底そのような気分ではないでしょう。

 上皇陛下・天皇陛下ともに、これまでの自然災害では常にお心を寄せられ、避難所も訪れていましたから、今回もそうされたいお気持ちなのだと思います。とはいえ、天皇陛下ひとりのお気持ちですぐに慰問に行けるものではありませんし、いまはまだ行く時期ではないとも思いますが、もう少し儀式のあり方を再検討してもよかったのでは。

 ある意味では、天気が雨と曇りであったのは、被災者の気持ちを考えるとかえってよかったのでは、という気もしてしまいます」

 天皇陛下は、「即位礼正殿の儀」のおことばで、「国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします」と述べられた。天皇陛下の国民に対する思いが届き、かなえられるような、そんな令和の時代になることを願わずにはいられない。

最終更新:2019/11/12 22:26
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