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テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

アンタッチャブル”電撃復活”、種はまかれていた?

柴田「(山崎が)出てくるわけないんだから」

 確かに、アンタッチャブルが活動を再開する土壌は、特に今年に入って少しずつできていたのかもしれない。中居正広が再始動の時期を山崎に尋ね、「いや、どうですかねぇ。見たいですか?」とはぐらかしながらも答えていたのは今年1月(『ナカイの窓』日本テレビ系、19年1月16日)。野性爆弾・くっきー!との対談で山崎が、コンビとしてなかなか芽が出なかった時期について真面目に語っていたのは7月である(『ロンドンハーツ』テレビ朝日系、7月30日)。

 苦境が続いた山崎は芸人から一歩退き、懇意にしてもらっていた有田哲平とのつながりで、くりぃむしちゅーの座付き作家として生活しようとまで考えていた。それを思いとどまらせたのが、03年の『M-1』での3位入賞らしい。

 対する柴田も、今年11月の『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)で番組全体の軸となる企画のレポーターを任された。いわば番組を裏から支える重要な役回りを担った格好だ。柴田はこの仕事について「いろいろ不祥事起こした俺がついにここまできたかと。ガッツポーズですよ」と振り返った(『さんまのお笑い向上委員会』11月16日)。そういえば14年の『27時間テレビ』では、山崎も同じようなポジションを担っていた。

 山崎が少しずつアンタッチャブルについて触れ始めていた。柴田が山崎の活躍に追いつき始めていた。そんな折の、先週の『脱力タイムズ』だった。

 番組はいつものように始まり、いつものように番組が仕掛けるボケに柴田がツッコミを入れまくり、ヘトヘトになっていた。そしてエンディングのパートへと入っていく。ゲストの新木優子が、好きな芸人としてアンタッチャブルの名前を挙げる。「そうおっしゃると思って、今日は柴田さんの相方をお呼びしました」という具合に有田がザキヤマを呼び込む。

 ここまではおなじみの流れだ。この流れで14年にはバービーが出てきて、18年にはコウメ太夫が出てきた。今年7月はハリウッドザコシショウだった。彼らの奔放なボケに柴田は七転八倒、1年周期で振り回されてきた。恒例の展開に柴田は嘆く。

「(山崎が)出てくるわけないんだから」

 開くカーテン。その奥から出てきたのは、やはり本物ではない。山崎に扮した俳優の小手伸也だ。大きな顔、張った顎。本物より一回り大きいが恰幅もいい。なるほど、バービー以上によく似ている。

 そしてザキヤマ風の小手と柴田の漫才が始まる。しかし、小手が「すいませんちょっと、ネタが飛んで……」と中断し、「ドラマの合間で来てて、いろいろ僕も大変な時期で」とまで言い始める。そんなふざけた態度に有田が「もう帰ってくださいよ」と怒りをあらわにし、小手をセット裏に帰す。番組の険悪な雰囲気に「もう1回やりますか?」と柴田が自ら申し出る。それを受けて有田が小手を連れ戻しにセット裏に行く。

 そして、有田が小手を引き連れて戻ってくる――はずが、そこにいたのは本物の山崎、まごうことなきザキヤマだった。

「うわーーー! バカ、ダメだって!」

 山崎を見た瞬間、柴田が床に倒れ込む。そして、「この番組でやんの?」と驚きながらも、「よっしゃー!」と叫ぶ。ジャケットを脱ぐ。さあ、再始動だ。テレビを見てるこちらのテンションも上がる。これ書きながら、ちょっと泣いてる。

「ありがとうございます!」

 センターマイクの前に立つ山崎に柴田が深々と頭を下げた。10年ぶりに、アンタッチャブルの漫才が始まる。有田が振る。

「それではアンタッチャブルさんの漫才です、どうぞ」

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