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東京医大「医学部不正入試問題」、受験料返還判決でも大学側が痛くも痒くもないカラクリ

経済力のない家庭に育った子は医者になれない?

 一連の不祥事が発覚した際、一部からは大学の裁量を認めるべきだという声も上がったが、裁判所は「法の下の平等を保障した憲法の趣旨に反する」とこれを強く批判した。ただ、目の前にはより深刻な問題がある。

「東京医大に返還義務の判決が下されたことで、今後、昭和医大、順天堂大学、聖マリアンナ医科大、日本大学ほか、同様の不正を行っていたすべての大学に対しても同様の訴訟が行われるのは間違いありません。不正を行った大学が求められる返還額は数億円単位で、助成金もストップないしはカットされているので、台所事情は苦しくなるはずです。

 ただ、そうなれば大学は学費を値上げすれば良いだけということも。昭和医大は2020年度から学費を一挙に500万円値上げしました。施設の老朽化が理由ですが、同大学の入試の倍率は例年十数倍ですから、『嫌ならヨソへどうぞ』と言えるわけです。会社員の平均年収を軽く超える額の値上げを簡単に行うのが医学部という世界なわけで、こうなると、いよいよ一般家庭の子弟にとっては“別の世界の話し”ですよね。どれだけ優秀でも、経済力のない家庭に育った子は医者になれないということです」(教育ジャーナリスト)

 小学生の「将来なりたい職業ランキング」で「医師」は上位の常連だが、我が子が「お医者さんになりたい」と言ったら、「YouTuberになりなさい!」と言う方が、まだ現実的なのかもしれない。

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最終更新:2020/03/11 12:12
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