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再燃したモリカケ問題も、うやむやに⁉ 新型コロナをめぐる政権の「言行不一致」の裏側

 新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっている。日本では東京・大阪を軸に、近く緊急事態宣言が出される見込みだが、不要不急の外出が制限され、鬱積をため込んだ国民の感情を逆なでしているのが安倍政権の対応だ。

「先週末には『4月1日から首都封鎖』という風説が流布し、官邸側が否定する事態になるなど、新型コロナをめぐる状況は日に日に緊張感を増しています。そんな折に昭恵夫人が都内で花見をしていたことが週刊誌の報道で発覚。この件を野党に追及された安倍首相が『自粛が要請されていた公園での花見ではない』と強弁し、炎上しました。新型コロナをめぐる政権の言行不一致ぶりは、これだけではありません。側近である菅義偉官房長官の行動も大ひんしゅくを買ったのです」(大手紙政治部記者)

 菅官房長官は先月29日、供用が開始されたばかりの那覇空港第2滑走路の供用開始を祝う式典に出席するため、沖縄を訪問。その後、観光客が激減している県内各地を巡ったほか、県の観光業界や経済団体の関係者との意見交換なども行った。辺野古新基地建設をめぐって県と対立している状況だけに、沖縄に寄り添う姿勢をアピールしたかったのだろうが、これが裏目に出た。

「菅氏は官房長官として内閣を統べるとともに、『沖縄基地負担軽減担当』も兼務しています。そのため、辺野古新基地問題をめぐって強権的な対応を続ける安倍政権への批判を和らげるためにも県内の経済振興をアピールしたい思惑があるのです。第2滑走路の供用開始はそのPRにはうってつけで、新型コロナウイルスの問題が広がっていても、どうしても外せないイベントでした。万難を排してという気持ちだったのでしょうが、マスクもせずに国際通りなど各所を巡る姿が報じられると、一気に批判が集中してしまったのです」(地元メディア関係者)

 沖縄で菅官房長官は「この場(新型コロナ)をしのぐ ことが、次のV字回復・反転攻勢につながる」などと発言し、政権への支持を得ようと必死のアピールを続けた。しかし、マスクなしの無防備な姿がTwitterにさらされると、「緊張感が皆無」「この時期になぜ沖縄へ? これこそ不要不急だ」などと批判のコメントが殺到し、大炎上してしまった。

 第二次大戦以来となる世界的な非常事態であるにもかかわらず、この緊張感のなさは一体なんなのか? 前出の 大手紙政治部記者は明かす。

「新型コロナの感染拡大が日本でも本格化し始めた3月末以降、安倍首相や官邸は、以前に増してのほほんとしてきているきらいがある。まるで、自殺した財務省相職員の手記が公開されたことで再燃したモリカケ問題も、コロナのおかげでうやむやになってくれるのではと、ほくそ笑んでいるかのようです。首都封鎖のデマも、官邸が流したという見方もあるほどです」

 国難を保身のために利用しているとすれば、政府の長として言語道断である。

伊芸有象(ルポライター)

1980年生まれ。在京新聞社や週刊誌を十数年渡り歩き、フリーのルポライターとして活動。犯罪や貧困問題などを精力的に取材している。

いげいゆうぞう

最終更新:2020/04/07 14:04
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