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C級ドラマ『M 愛すべき人がいて』で思い出される、浜崎あゆみ“伝説のパチンコ台”

文=黒崎さとし(くろさき・さとし)

浜崎あゆみ

 初回の視聴率が深夜帯にもかかわらず5.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調だった『M  愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)。25日に放送された第2回においても放送直後からツイッターのトレンド入りしており、今期注目のドラマであることは間違いないだろう。

 だが、視聴者がSNSに投稿した感想を拾い上げてみると、浜崎あゆみ役の安西カレンをはじめとした役者陣のセリフの棒読み加減や、設定のひどさに対するコメントが多い。また、安斉や眼帯をつけた謎の秘書役である田中みな実が着用している衣装がプチプラブランドのものが多く、さすが今期大赤字を出したテレビ朝日の作といったところ。

 ほかにも「コント」や「夜の昼ドラ」、「B級以下のC級ドラマ」「平成どころか昭和感ある」など散々な感想ばかりだが、同時に「気になって見てしまう」というコメントも多く、制作陣の狙い通りといったところだろうか。

 良くも悪くも視聴者の心をざわつかせているドラマだが、この安っぽさと浜崎あゆみが結びつきSNS上ではとあるパチンコ台への言及が増加している。2011年にホールに登場し、今でも“伝説”として語り継がれている「CR ayumi hamasaki 浜崎あゆみ物語 -序章-」(ビスティ、以下CR浜崎あゆみ)である。

「ホールへの導入当時、演出などすべてがあまりにしょぼすぎて『あり得ねー!』『これマジでエイベックスがOK出したのかよ』といった酷評を受けて伝説となった台ですね。東日本大震災の直後の輪番停電を行っていた頃でパチンコ業界への当たりが強く、台がしょぼすぎるのも相まって、ちょっとした炎上騒ぎになりました。浜崎自身も『いちアーティストの私の手に負える範疇ではもはやないんで』とさじを投げるほどでしたから、相当なものでしたよ(笑)」(パチンコ誌ライター)

 この当時の背景として、CR浜崎あゆみを出したビスティは「CR新世紀エヴァンゲリオン」シリーズで大ヒットを飛ばした人気メーカーで、さらに親会社の三共が発売していた倖田來未やX JAPANといったアーティストとのタイアップ機はユーザーにも好評だった。人気メーカーが満を持して浜崎のタイアップ機を発売したので、期待を込めて多く導入したホールもあった。だが、導入1週間後には座るユーザーがほとんどいなくなり、台が置かれた“島”は通路と化していたそうだ。

「とにかく演出バランスがひどかったことが理由でしょうね。熱めの予告がきてもリーチにすらならない。リーチになったとしてもアニメ系の演出に発展するとボーナスの期待度がほぼ皆無な上に、嫌な気分になるような展開ばかり。例えばあゆの夢をつづったノートを不良にバカにされて川に捨てられた挙げ句、愛犬のマロンがそれを拾いに川へ飛び込むも、ハズレると沈んだまま……。何を言っているのかわからないかもしれませんが、思い出すとイラつきがフラッシュバックするようなリーチしかなかったんです」(同)

 ほかにもバックダンサーが『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)のようにトラックの前に飛び出してリーチがハズレると轢かれる、なぜかDJ OZMAが登場して煽りまくるといったように、とにかくユーザーの心を逆撫でするような演出ばかりだったとか。

「ただ、一部では『クセになる』『なんなら演出を全部見てみたい……』って、中毒者が出たようでして。今回のドラマにもその要素が含まれているように思えますね。『コント』『再現VTR』などといわれていますが、パチンコドラマといってもよいかもしれません。射幸心だけあおって内容はないみたいな(笑)」(音楽雑誌ライター)

 浜崎が「平成の歌姫」の名をほしいままとするのは、多くの人間が認めるところ。しかし、本人が稼働せずにイメージの中の世界観を描いた作品となると、途端に”面白く”なってしまうのは歌姫にかけられた呪いなのかもしれない。

黒崎さとし(くろさき・さとし)

黒崎さとし(くろさき・さとし)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。

最終更新:2020/04/28 21:30

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