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外房線の脱線事故は“少年のいたずら”ではすまない? 置き石をした10歳の子の親が支払う総額は

イメージ画像/出典:gariya

 JR外房線で5月に発生した脱線事故の原因が置き石だったことが判明。10歳の男児が置き石を繰り返していたことが分かり、驚きの声が上がっている。

 脱線事故が発生したのは、千葉県鴨川市の安房天津駅~安房鴨川駅間でのこと。6両編成の普通列車が脱線して50本以上の列車が運休し、復旧には丸一日を要した。千葉県警は6月19日、現場付近のレールに置き石をしたとして、10歳の男児を書類送検したことが判明。少年はそれ以前にも置き石をしており、「実験で置いた」と話していると言う。

 今回は不幸中の幸いでケガ人は出なかったが、過去にはとんでもない事件も起きている。ベテランの週刊誌記者がいう。

「1980年、大阪府枚方市で、中学生5人がコンクリのブロックを線路に置き、京阪電鉄の列車が脱線。奇跡的に死者は出ませんでしたが、先頭車両が線路脇の民家に突っ込み、100人以上の怪我人が発生しました。少年と保護者は損害賠償を請求され、散々モメた挙げ句、1人あたり840万円を支払うことで示談が成立しています」

 これを「たった840万円」と思うか、「840万円も」と思うかは人それぞれだろうが、人命を脅かした罪が重いのは言うまでもない。京阪電鉄の件は中学生、今回の外房線の件は10歳の少年が犯人だが、10歳の少年に責任を背負わせることはできるのか? フリーの鉄道ライターはいう。

「近年、鉄道会社絡みの裁判で一番話題になったのが、JR東海が死亡事故の遺族を訴えたものです。この裁判は、認知症で徘徊し、轢かれて亡くなった男性の遺族に、『監督する義務があった』として損害賠償を求めたもの。一審と二審では遺族に支払いを命じる判決が言い渡されましたが、最高裁で賠償責任は無いという逆転判決が下されました。ただ、徘徊事故でさえこれですから、置き石に関してはお目こぼしされるはずはありません。

 少年は置き石を繰り返していたようですし、事故映像を見ると、障害物を弾く『スカート』が大きく破損しており、かなり大きな石を置いていたようです。事故車両は製造から20年以上経っていますが、購入価格は9000万円もしますし、運休でもかなりの損害が発生しています。過去には小学生の置き石で500万円近くの賠償を命じられたケースもあり、今回も100万円単位の額になるのは間違いないでしょう」

 どうやら“ほんの出来心”や“子供のいたずら”では済まなさそうな雲行き。子供がいる家庭は、耳にタコができるほど「置き石はダメ」と言い聞かせる必要がありそうだ。

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最終更新:2020/06/27 21:00
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