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『チコちゃんに叱られる!』レビュー

『チコちゃんに叱られる!』最後に全てをかっさらう、コウメ太夫の生真面目さ「適任ではないのでは…」

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『チコちゃんに叱られる!』最後に全てをかっさらう、コウメ太夫の生真面目さ「適任ではないのでは…」の画像1
NHK『チコちゃんに叱られる!』

 6月26日放送の『チコちゃんに叱られる!』(NHK)は、前回に引き続きリモートでの収録だった。ゲストは初登場の浅田舞と、アンタッチャブルの”ザキヤマ”こと山崎弘也だ。

 ザキヤマは今回で3回目の登場である。いつもはゲストをグループ名で呼ぶのが常のチコちゃんなのに(例:大竹まことには「シティボーイズ」)、ザキヤマのことは「アンタッチャブル」と呼ばなかった。せっかく、アンタッチャブルはコンビ活動を再開したというのに……。

 この日、取り上げたのは以下の3つのテーマだ。

・なんで結婚式でお色直しをするの?
・なんで手品の時に「♪チャラララララ~」って曲が流れるの?
・なんでつゆは梅の雨って書くの?

「お色直しは相手の色に染まるため」メンド臭すぎる昔の結婚式

 1つ目の疑問「なんで結婚式でお色直しをするの?」の答えは「相手の家に染まるため」だった。現代の価値観からすれば、恋人に染まることはあるとしても、新婦が相手の家に染まるための結婚というのは信じがたい。

 つまり、結婚を人対人ではなく家同士の問題としていた時代の考え方だ。現代の価値観とは根本的に違う。番組スタッフが既婚の友人にインタビューすると、お色直しについて彼女らは一様に「自己満足」「2着着たいから」と回答していた。結局、それが正直な本音ということになるのだろう。

 そもそも、お色直しは日本独自の文化だそう。現代では自分の好きな服に着替えるが、昔は夫からもらった着物に着替えていた。実は、お色直しの起源は室町時代まで遡る。伊勢貞陸著『嫁迎嫁入記』というマナー本にお色直しのことが詳しく書かれている。

 室町時代の結婚式は3日間かけて行われたそうだ。1日目と2日目は花婿と花嫁が一緒に過ごし、そのときの花嫁衣装は白装束である。そして、3日目に花婿の両親へ挨拶をする。このときにお色直しをすることで「相手の家に染まった」と認定され、嫁入りがようやく認められるのだ。というか、最初の2日間、2人は何をしているのだろう……?

 そして明治時代に入ると、それまで大名や将軍たちだけが行っていた結婚式を商人や農民も行うようになる。借金をして結婚式を開く家まで出てくる始末。結果、結婚式は社会問題になってしまった。そこで婚礼の簡素化を推し進めたのが、あの伊藤博文だ。1900年(明治33年)、皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)の結婚の際に神前結婚式を推進したのだ。三々九度(大中小3つの杯を使い交互にお酒を飲み夫婦の契りを交わす儀式)を取り入れ、結婚式と披露宴が1日で終えられるように変えた。このおかげで、それまで三日三晩かけていた結婚式は30分足らずで終了し、お色直しも1日でできるよう簡略化されたのだ。

 伊藤博文が日本の今の結婚式のスタイルを作ったとは知らなかった。簡素化してくれた彼に感謝! というか、そもそも三三九度が三日三晩の結婚式を簡略化したものだなんて全く知らなかった。

 そして1959年(昭和34年)、花嫁衣装に革命が起こる。ウエディングドレスの登場だ。1870年(明治3年)ごろからウエディングドレスは輸入されていたものの、日本ではまだ馴染みのない物だった。それを一躍日本中に広めたのは、上皇后の美智子さま。当時の皇太子さま(上皇さま)とご結婚されたとき、美智子さまが純白のローブ・デコルテ(ウエディングドレス)を着用し、みんなの憧れの的になったのだ。

 翌年、石原裕次郎・まき子夫妻の結婚式でもウエディングドレスが着用され、世間の憧れはヒートアップ。1965年(昭和40年)頃にはウエディングドレスは花嫁衣裳の定番となり、そこに日本独自のお色直しという文化が融合した。

 こうして、日本は純白のドレスからカラードレスに着替えるという不思議な国になる。お色直しに「花嫁が夫の家の色に染まるため」という背景があると知る者は、今ではほとんどいない。

 それどころか、現在はお色直しに動物の着ぐるみを着たり、プロジェクションマッピングを駆使する新婚さんもいるという。でも、価値観が変わり、多様化している現代において、お色直しから本来の意味が失われるのは、逆にいいことなのかもしれない。

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